目指す女子教育

一人ひとりの未来を見据えた英語教育

中2英語指導者に訊く―臼井小百合先生

身についた自信が生活全般に生きてくるようになりました。

エデュ: 昨年スタートした経験者クラスについては、臼井先生が開拓者として、いろいろご苦労されたと思います。2年目をまもなく終えようとしているこの段階でのご感想をお聞かせください。
臼井先生:

第一は普通の生徒がこんなに伸びるとは思ってもいなかったことです。帰国子女の生徒もいますが、これまでの学校の体制でやっていたらあそこまで伸びたか、自信がありません。英語ができる生徒は、一般生徒たちといっしょの授業を受けるとばかにしたりすることがありますが、そういうこともありませんし、彼らを見て一般生も刺激を受け一生懸命勉強するという姿に接すると、このようなクラス分けをして良かったと思っています。

エデュ: 一般生を巻き込んだ相乗効果が大きかった。
臼井先生:

そうです。たとえば5グレードにクラス分けを行うと、トップのクラスは6分の1ですから30名しかいません。この30人に入れるということは、やはりステータスになります。このクラスの生徒はこうしたプライドからさらに一生懸命取り組むという好循環が生まれたことは確かですね。

エデュ: 今後このクラスをどのように導いていきたいとお考えでしょうか。
臼井先生:

中3終了時点で日常の簡単な会話が普通にできるようにすることが最初の目標です。たとえば外国人が来られたときに、積極的に話せるような自信がつけられるといったことです。

さらに、高3までにもう少し書く力を養いたいと考えています。書けるようになれば話す内容がしっかりしてきますので、中3までに身に付けたコミュニケーション力を用いて、もっとレベルの高い会話ができるようになってきます。英作文ではなくエッセイを書く力を養うよう、徐々に重点を移していければ、と考えています。中学の段階でコミュニケーション力に自信をつけさせますので、それ以降はまとまった文章を読んだり書いたりする力が身につくことが大切だと思います。

エデュ: ある程度ガンガン詰め込むような授業をイメージしていたのですが、授業を拝見して、そういう感じは全くしませんでした。
臼井先生:

始めは詰め込み授業を目指していたのです。もちろん今でもそうです。私は詰め込み主義者なんです。詰め込んで詰め込んで、くたくたになっても生徒は学校へ来てさらに勉強をする、というのを目指していたんです。しかし、そうするにはこちら(教員側)の限界もありました。彼らがすごいと思うのはよく授業についてきているということです。小学校のときに必ずしも猛烈に勉強してきた子たちではありませんから、飛びぬけてできる子ではありませんでした。しかし、それでもこうした授業を通じて、こうしたハードな授業が当たりまえというようになってきたのは確かです。こうしたことが生活面にも生きてきて、クラブに一生懸命な子も両立できるようになってくる。それが成長だと思いますね。

こうして年を追うごとに、去年の経験を教訓化しますので、今後、指導の精度は向上していくと思います。