Inter-edu's Eye

インターエデュの眼

「個」を重視しながら「全体」を引き上げる英語教育

公立校にない私立学校のメリットは少なくありませんが、そのなかでも独自のカリキュラムを組み立て、中高の6年間、一貫した効率的な教育体制を築けることはそれぞれの学校の個性を最もよく反映できるポイントということができるでしょう。

学校選びをする保護者にとって、ともすればブラックボックスになりがちな中高6年間の具体的な流れとその教育効果は、最も関心の高い項目のひとつといえます。授業は当然、集団での教育活動ですが、学力差を持つその集団のなかでもどれだけ「個」に即した指導ができるかはそれぞれの学校が当面する課題といえます。

先取りカリキュラムを採り入れる学校は少なくありませんが、どの学校にとってもこれによって教育効果が上がるとは限りません。生徒のレベルも無視できませんし、合理的教育課程の追求も並行して求められるでしょう。たとえば進学実績を急伸させているある中高一貫校では、古文の導入を、従来の2年次からあえて1年遅らせ、中3からスタートさせることによって、中2までに現代文の基礎をしっかり固め、3年次から従来履修していた現代文の授業の一部を古文へ集中して充てることによって、高校進学時点での古文の実力を大きく伸ばした学校があります。

ほかにも、少人数制クラス、分割授業、放課後講習、季節講習など各学校がそれぞれに学力の引き上げに工夫を凝らしています。なかでも中1スタートラインでの個人差が大きい英語学習において、経験者に対する指導を分離することで、経験者ばかりでなく初学者への学習効果も上げようというシステムを導入している学校があります。ここでは「個」の視点に立脚し、一人ひとりの未来を見据えた教育を英語から始めています。

インターエデュのこの特集では、学校全体の学力向上にばかりでなく、生活面での充実度の引き上げなど多くの面で効果を上げつつあるキリスト教男子校をレポートします。