本校の親大学である二松學舍大学は、来年創立135年を迎える伝統ある大学です。
前身の「漢学塾二松學舍」には、文豪の夏目漱石(塩原金之助)をはじめ、犬養毅・平塚雷鳥など著名な文化人が二松學舍の門をくぐっています。
創立者は漢学者で当時の法曹界の重鎮であった三島中洲(みしまちゅうしゅう)です。
中洲は、明治維新後西洋文化がはびこる中、「東洋の文化を学ぶことが、日本の本来の姿をしることになる」と二松學舍を立ち上げました。
そのような経緯があり、本校では『論語』を三年間学びます。『論語』を通して孔子の教えを学んでいます。内容は道徳的なもので「人としてあるべき姿」が説かれています。『論語』というと堅苦しいイメージを持つかもしれませんが、『論語』には人として生きていくための知識や知恵が詰まっているのです。
孔子は今から2500年も前に生まれた人ですが、孔子の教えは脈々と継承され、現在も世界中で高い評価を得て生きています。時代は変わっても、そこに生きる人間の本質は変わっていません。「人としてあるべき姿」は時代が変わっても普遍的なものなのです。
『論語』の授業は、教員の手作りのテキストを使って展開されています。単に漢文訓読法や故事成語を学ぶだけでなく、生徒自身が物の見方や考え方を深め、人間的に成長していくことを目的としています。生徒の殆どは大学受験をしますが、受験のためだけの知識の詰め込みにならないよう、『論語』を通して「人間力」を高めていくことにも努めています。
また、高校の向かいに大学があるので「高大連携授業」を行なっています。二松學舍大学が得意とする「中国語」・「韓国語」と「書道」が3年次の選択授業にあり、大学教員の授業が受けられます。「中国語」・「韓国語」は高校で、「書道」は生徒が大学へ行き、大学の「書道」の授業を一緒に受けます。高校時に大学の授業を受けられることは、貴重な体験になります。