昨年、新校舎が完成し、今年で共学校2年目となる郁文館は新しい学校と思われがちですが、今年で創立122年目となる伝統校でもあります。
1889年(明治22年)、現在地に創立した郁文館の校名は、論語の一節「子曰く、周は二代に鑑みて、郁郁乎として文なる哉。吾は周に従わん」に由来します。
夏目漱石は、英国から帰国後の数年間、郁文館の隣に住み、その間に「吾輩は猫である」を執筆。作中、郁文館を「落雲館」として登場させています。
本校創立者の棚橋一郎は明治期に「ウェブスター氏新刊大辞書和訳字彙」という英和辞典を出版し、創立当時から英語教育に力を入れていました。
この英語教育への思いと、「有能で個性的な社会人の育成」という建学の精神は現在の郁文館にも引き継がれ、郁文館グローバル高校では英語力強化に特化し、ニュージーランドへの1年間の留学で生徒の自立を図っています。
郁文館では、今後、このグローバル高校のノウハウを存分に活かした教育を郁文館中学、高校でも推し進め、生徒一人ひとりが世界を夢実現のステージとするため「グローバル力」の向上を目指します。
その一環として、今年度から全学年を対象としたアジア・オセアニア研修(カンボジア、ニュージーランド、中国・韓国・シンガポール)を開始します。
近年、とかく内向きになりがちな日本の若者が多い中で、積極的に外国に出かけ、見聞を広めることで、自らの将来を切り拓いていく契機として欲しいと考えています。
また、こうした研修に加え、徹底的な英語力の強化、NIEによる社会への意識向上、日本文化の学習などにより、国際人として活躍できる知性と教養を磨きます。
さらに、来年入学する新中学1年生からは、中学2年で英検3級取得できる英語力を身につけ、中学3年の夏に希望制で2ヵ月のニュージーランド留学を実施します。
このように、建学の精神は今も日々の教育の中に受け継がれ、進化し続けています。