これからの時代を生きる子ども達にとって、コミュニケーション力の育成は必須の課題です。聖徳大学附属小学校では、毎日の「明和班」活動と全学年が毎週行う「礼法」の学習により、その力を育てる取り組みを行っています。
明和班とは1年生から6年生までが混ざった、学年縦割り班です。お昼の「会食」を、毎日、明和班ごとにいただきます。そこでは、高学年が下の学年のお世話をする場面が、日常的に見られます。楽しそうな会食風景は、まるで兄弟姉妹のようです。苦手な物に箸をつけられない下の学年の子に「一口でもいいから食べようね」と、優しく声をかける6年生の姿も見られます。
明和班活動は、ほかにも全校遠足でのオリエンテーリング、農園活動、運動会のリレー、清掃そして交流などたくさんあります。 3月には卒業生を送る集会が行われます。そこでは明和班の下級生から、感謝の言葉とともに手づくりのペンダントを贈られる6年生の姿が見られます。6年生が、明和班のために尽くしてよかったと思える瞬間です。
礼法は小笠原流礼法に則って行われます。小笠原流礼法で大事にしているのは「相手を大切に思う心」です。その心をいかに相手に伝えるかを、授業の中で繰り返し学びます。小学校の段階でまず修得すべきことは「普段の挨拶」です。相手の顔を見てきちんと挨拶できることが重要です。未来の扉を開ける鍵ともいえる挨拶が正しく出来る子は、ますます必要とされるでしょう。
礼法ではこのほかに、周囲に対するやさしい立ち居振舞いや、白い紙を折り上げて作成する「折形(おりかた)」なども学びます。
相手を思う、本当のコミュニケーション力は体験の中でしか身に付けることはできません。自分の思いが通じずに落ち込むこともあるでしょう。しかし、小さな失敗を前向きにとらえて、あきらめずにチャレンジしていくことこそ、よりよい人間関係を学ぶために必要なことではないでしょうか?