筑波大学附属駒場中学校 出題傾向

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桜蔭中学の出題傾向

[国語]

本年は大問が三題、[1]は、例年通り長文読解問題であり、今年は石川直樹の『いま生きているという冒険』からの出題であった。文字数は1500字を下回り、特に長い文章ではなかった。[2]はこれまでにも出題されたことのある、短文を漢字に直して丁寧に記述するという書き取り問題。今年は「ヒャクブンはイッケンにしかず」を書かせるものであった。[3]は詩の鑑賞と理解についての出題で、今年は金子みすゞの『月のひかり』が出題された。本年の出題の特徴としては、これまで長文読解が二題出題されていたのが、一題だけとなりボリュームとしては少なくなった。しかし、「いま生きているということ自体が冒険の旅である」と述べている冒険家の筆者の主張に則して、自分の旅についての経験を100~140字で書くという作文が出題された。詩あるいは短歌・俳句は毎年出題されている。情景の説明や内容の解釈について総合的に問われる。これまでの傾向とは多少変わった部分はあるが、多彩な出題で、国語力を様々な角度から問おうとするレベルの高い出題である点に変化はない。

[算数]

例年通り大問4題で、試験時間はわずか40分。開成、麻布の合格発表が3日であること等を考えると御三家受験者層の上位何%かを選抜する首都圏最高峰の選抜試験と言えます。最初から最後まで分析力、思考力、判断力が要求される問題が並び、的確に問題の意図を理解し、限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮しなければならなりません。今年の問題で筑駒らしい問題は[1]になります。まずは、出題者の意図に沿って丁寧に書き出していき、(1)順作業→(2)逆作業→(3)結論 という形式です。普段から単純作業に終始するのではなく、途中過程を大事にして、きっちりとやりあげる練習を積んでおけば、必ず答えまで辿りつけるはずです。また、周期・規則性に関する問題はほぼ毎年出題されるので、たえず手を使って書き出して調べることを忘れないで下さい。

[理科]

例年、大問で7題くらい。解答形式は、計算させる問題、短めの記述、記号選択、作図などありとあらゆる形で出題される。出題分野も広く、いろいろな単元から出題されるが、力学と水溶液は毎年必ず出題されている。一昔前の問題は、それほど難問もなく、ケアレスミスをしない生徒が有利であったが、最近の問題は、特に力学(てこてんびん)で難しい、または面倒くさい問題が目立つ。今年も例外なく、そのような問題が出題された。[1]はもののとけ方、[2]は水溶液と金属、[3]は小問集で台風、星座、化石、雲、気温の測り方など、[4]は金魚(フナやメダカ)の形や飼い方、[5]は野菜の食用部分と発芽の条件、[6]は豆電球とモーター、[7]はてこのつり合いであった。今年のてこのつり合いは、捨て問といってもよいだろう。

[社会]

例年三分野まんべんなく出題されており、今年度は[1]が地理、[2]が歴史、[3]が公民であった。高得点争いになる出題傾向は今年度も変わりなかったので、ミスをなくし1問も落とさないように答案作成をするよう心がけて欲しい。
[1]は、銚子周辺の地形図の読み取りが中心の地理分野であり、銚子の伝統産業の醤油に関する問いや地図記号に関する問いなどの基礎知識を問われるものが多く、丁寧に読み取っていけば比較的容易に正解へたどりつけるものが多かった。[2]の歴史は、萩原朔太郎の生涯を題材とした関東地方に関する通史の問題であった。奈良時代に始まり戦国・江戸時代、近代史など各時代の産業・文化などを問うものが中心であり、各時代の特色等をきちんと理解できていれば失点は防げるはずである。[3]の公民は、時事問題と各連させて出題されており、ここ数年の経済状況を踏まえた現代社会の変化を問う設問であり、非正規雇用に関する正確な理解を要求されるものも出題された。若干解答しにくいものもあったので、差が付くとすればこの分野であろう。

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