武蔵中学校 出題傾向

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筑駒中学の出題傾向

[国語]

文学的文章:青木玉「お使い」(『小石川の家』所収)約6700字。文章は、明治時代の文豪、幸田露伴の一族の厳格な家庭状況を扱ったもの。鴎外の娘・文(あや)の子(すなわち孫)が筆者・随筆家の青木玉である。例年の出題傾向として常に随筆文・物語のみ出題し、また漢字以外の知識問題もあまり出さないが、今年は問題文の時代背景を生かして、敬語の問題を出題している。長文1題で押し切る構成も例年通りだが、記述問題が五題とやや少ない。また昨年のテーマが「恋愛」だったのに比べ、今年は男子生徒にとって読みやすい出題のため、合格者平均点は45.6点から58.8点に一挙に上昇した。当校の入試対策としては、普段の学習から「自分の言葉で表現する・書きとめる」習慣をつけることしかない。

[算数]

[1]は小問が2題。両針が重なる時刻を求める時計算と、平行線上にある三角形の角度を求める問題。どちらも基本問題である。[2]は、3種類の食塩水を2種類ずつ混ぜ合わせる問題。標準的な問題。[3]は長方形の部屋にタイルをしきつめる問題。かなり難しい。[4]は重さの異なる3種類の玉の重さに関する場合の数。これも難問。合格者平均と受験者平均に20点以上の差があった。[3]以降でかなりの得点差がついた。

[理科]

今年は、大問数が4題から3題に減り、例年よりやや易しめであった。全体的に記述問題が多く、最後にお持ち帰り問題(道具を実際に使って解く問題)がある傾向は例年と変わっていない。[1]の上皿てんびんの使い方、ホウ酸の溶解度曲線の見方や[2]の星の色・明るさ、星座早見の使い方などの基本的な知識を問う問題が多いが、理由を答えさせる問題も一緒に出題されるので、やみくもな暗記だけでは対応できない。学習して身につけた知識について「なぜ」と普段から疑問を持ち、考え、記述をする習慣が必要である。

[社会]

一つの文章・資料が与えられ、それを基に出題される形式は定着している。今年は、人口問題がテーマであった。近年、様々なところで叫ばれている問題であるので、受験生にとっては取り組みやすいものだったのではないか。知識の部分は、おそらく問題がなかったと思われる。記述の部分が、分量の指定がないだけに、どこまで書けばよいのか迷うところではあるが、解答欄の大きさから考えても、150~200字程度というところであろう。今後も、テーマを絞った出題形式は踏襲されると思われる。近年話題となっているテーマについては、自分の意見・考えをしっかりと書けるようにしておくことが必要である。

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