[1]物語文(榊邦彦「約束」約1800字)、[2]説明文(中沢新一「ミクロコスモスⅠ」約3000字)、に[3]漢字という構成。選択肢は易しいものが多く、記述中心の対策を考えればよい。ただし、記述の解答はどこまで書けばいいのか判断に困るものも多い。必要な解答レベルについては、過去問の解答・解説を参考に、要求されている水準をつかむとよいだろう。日常の勉強では与えられた文章の要旨、主題をまとめる練習を必ずするとよい。出題者は、受験生の本質的な読解力(読書量に根ざした読み取りの深さ、正確さ)を見ようとしていることを念頭において学習したい。言うまでもなく、字は楷書でしっかりと書くこと。枠からはみ出したり乱雑な字を書いたりすると減点対象になる。
年によって難易度の差が大きいが、近年は大問4題のみで試験時間60分のスタイルで定着。この質と量ゆえに、受験生は全ての問題に立ち向かい、突き破らなければならない。今年も立体図形こそないものの例年通りの出題傾向だった。[1]は平面図形。設問に沿っていけば解きやすい。[2]は割合の文章題(円ドル換算)。[3]は数の性質(不定方程式・整数限定)。[4]も数の性質(継子立て・2進法)。有名題。初見でもしっかり誘導に乗っていけば大丈夫。高学力の受験生にとって簡単すぎたと言え昨年に比べて、問題自体は全体的に難易度が上がった。しかし、合格者平均にあまり変化が見られなかったのは、設問の設定の巧みさと途中過程重視の採点方法により、きちんとした理解ができているかを重視した結果であると思わる。普段から物事をとことんまで追求する楽しさを忘れずに、そして自分の考えを正しく主張できるように最後まで気を緩めることなく学習していこう。
年度によって問題の形式・出題のされ方は一定しないが、ここ数年は標準的なレベルの問題を中心に構成され、高得点勝負となっている。実験操作の方法等に対する理解や、実験結果の分析やグラフなどのデータの読み取り、確実な計算処理力などを問う問題が中心となっている。小さな判断ミスが失点につながりかねないので、問題内容を正確に把握することや確実な分析法を身につける必要がある。特に物理分野では、必要な条件をもらさず図に記入、整理して確実に、かつスピーディーに処理することが要求されるものが出題されることが多い。平易な問題の中に、正確な知識と高度な分析力を要求する難問が数題含むところが、「筑波大学附属駒場中」と似ている。化学分野では実験操作に関する問題の出題頻度が高い。最近は時事的問題も出題される。
「すべての分野について幅広い知識と理解」が社会の条件。これは一貫しており、ていねいな積み重ねの学習を苦手とするようでは、まず合格点には届かない。基本知識の穴は受験生全体の質の高さを考えると致命的となる。[1]歴史総合問題。農村をテーマとする社会・経済史。各時代の農民や農村の様子を取り上げ、それに関連してさまざまな問題を繰り広げている。問2東京都と千葉県の境界になっている川として「江戸川」を書かせている。[2]国連をテーマとする国際社会に関する総合問題。問7に空欄補充問題。Cで「国境なき医師団」を書かせている。[3]地理総合問題。地図についての理解力、統計資料の分析、読み取り力が問われる問題。問3、問4は地球温暖化を気温と降水量をまとめた雨温図を使って考えさせている。