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私たちをとりまく環境は10年前とは大きく変わっています。それは子どもたちの世界とて例外ではありません。50m走でまっすぐ走れなかったり、ソフトボール投げでうまくボールが投げられなかったりと、ショッキングなニュースも耳にします。 年長・小学生のみなさんと日々実習をしている我々のなかでも『頭では理解していてもうまくつくれない』、『できないとすぐあきらめてしまう』といった声があがっています。原因はさまざまに考えられるとは思いますが、ひとつには実際に体験をする機会の少なさがあげられるのではないでしょうか。特に幼年期は実体験を豊富にする時期だと考えます。
テレビやインターネットで見たこと、聞いたことは情報に過ぎません。
 たとえば、テレビで「キンモクセイの香りが秋の訪れを感じさせます」と、レポーターが言ったとします。もちろん見ている私たちには香ってきません。しかし、かつて体験をしたことであれば、「ああ、もうそんな時期なんだ」と、キンモクセイの香りを思い出しつつ、しっかりと理解することができるのです。
 体験はすぐに成長を促すこともあれば、静かに澱(おり)のように沈み、ふとしたきっかけでその人に働きかけるものもあります。私たちは急ぎません。できるだけ本物を用意し、実体験をつんでもらうところから始めています。身近なものに題材を探し、それ自体は知っているけれど、それがいったいどこからくるのか、初めはどのような形をしていたのかなどといったことを大切にし、そのおおもとから体験してもらうことが、みなさんの真の成長に結びつくと考えます。 実習にはストーリーをもたせ、身近なもの・さわったことのあるものなどから、その素材へ体験を交えながら進んでいきますので、理解も深まっていきます。また随所に『なぜ』といった問いかけを用意したり、さわって考えたりと、さまざまな仕掛けを用意し、興味を引き出しています。
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