中高一貫校の学習と生活 市進予備校
検定外教科書とは? 部活動との付き合い方 体験授業受付中 夏期講座

文部科学大臣の検定を受けない「検定外教科書」とは?


3月下旬〜4月の初めに、中学校でたくさんの教科書が配布されたことと思います。 場合によっては、英語や数学などで教科書が2種類あることも少なくありません。 これは文部科学大臣の検定を受けている「検定教科書」と、検定を受けないで民間が発行する 「検定外教科書」があり、6年一貫校ではこの「検定外教科書」を使って実際の授業を行うことが大変多いためです。 ではなぜ「検定外教科書」を使うのでしょうか? 考えられる理由としては、

  1. 「検定教科書」はその性格上記述内容が制限されており、中学受験を経てきた生徒にとっては、質量ともに物足りないと感じることが少なくない
  2. 週当たりの各科目の学習時間が公立中のそれと比べて多いので、先生の授業の組み立てが容易でない
  3. 大学入試を視野に入れたとき、早めに高校課程に入るのに都合のよい内容になっている

などです。 特に2002年からは、基礎基本に重きをおく学習指導要領が施行されているため、検定外教科書を中心に授業を進めている6年一貫校が以前より増えています。

主な検定外教科書 その1:英語

図:グラフここに挙げてある教科書は、いずれも大学入試を考えた場合質量ともに充分な教科書です。 英単語一つとってみても中学校3年間で比べた場合、検定教科書では約900語ですが、以下(1)〜(3)の教科書では約3000〜3700語です。 大学入試では4500語あれば充分に対応でき、6000語以上ならどんな英文を読むのにも困らないといわれていますので (もちろん英文法や構文・熟語の知識が必要なことは言うまでもありませんが) 、高校に入ってからも同じようなペースで単語を覚えていけばいいことになります。 逆にいうとそれだけ中身の濃い教科書であるため、授業前の入念な予習とその日のうちの復習が必要不可欠なのです。

(1) Progress In English21(エデック社)
著者:ロバート・M・フリン神父。
六甲学院(神戸)泰星(福岡)で35年間英語を教え、その経験を生かしこの教科書の前身にあたる「Progress In English」を1966年に発刊。 「Progress In English21」はその改訂版で、現在はBOOK1〜4まで改訂済み。
特徴は音声から導入し、基本的な会話表現が身に付くようになっている。 そのため3ヶ月位テキストを使用しないで音声のみによって耳を英語に慣らすことから始めないと、最初の段階でつまずいてしまうことも。 関西のカトリック系の6年一貫校で使用されはじめ、次第に全国でも使われるようになった。
BOOK1から6までの6冊編成で標準的な使い方としては、中学校では、BOOK1が中1/BOOK2が中2/BOOK3が中3だが、内容を見るとBOOK2まで終われば中学範囲を学習したことになるので、学校によって進度はまちまち。
ある学校では中学3年間でBOOK2までというところも。 高校になると、高校用検定教科書へと変更したり、検定教科書と併用したりするところが多くなる。 BOOK6まで使用するところはかなり少なく、全国でも2校とのこと。
別途ワークブックや音声CDあり。6年一貫校に通っていない生徒でも入手可能(エデック社で直接販売のみで、書店での取次はない)。
採用中学校−麻布・栄光学園・浅野・鎌倉学園・暁星・サレジオ学院・聖光学院・早稲田・白百合学園・聖心女子学院・晃華学園・横浜雙葉・横浜共立・フェリス女学院・大妻嵐山・鎌倉女学院・光塩女子学院・清泉女学院・暁星国際(特進コース)・洛星(2004年度まで)・江戸川学園取手(2005年度まで)など。

(2) Treasure(Z会出版)
編者:中高一貫英語教育研究会。
2003年に初版が発行されたが、首都圏では採用校がどんどん増えていて、前出の「Progress In English21」にせまる勢い。 やはり音声重視・会話重視の作りで、生徒が親しみやすいようにイラストやちょっとした作業問題がある。文法のまとめもわかりやすい。 別途ワークブックや音声CDあり。学校直販のみで、学校を通さずに入手することは不可能。
採用中学校−市川・共立女子・国府台女子学院・昭和学院秀英・田園調布雙葉・暁星国際(進学コース)・江戸川学園取手(2006年度より)など。

(3) Birdland Junior English(文英堂)
監修:吉田研作氏(上智大学外国語学部教授)
前出の「Treasure」とほぼ同時期に刊行。国際競争時代にあって「使える英語の育成」を念頭において作成された。 特徴としては@「やさしく楽しく学べる」よりも「確実に深く学べる」A英文法を基本としながら、「読む・書く・聴く・話す」という4技能の修得に配慮。 別途ワークブックや音声CDあり。学校直販のみで、学校を通さずに入手することは不可能。
採用中学校−関東:東京農大一・三輪田学園など/関西:東大寺学園・洛星(2005年度より)・洛北付属中など。
市進予備校アドバンスコース
ページ先頭に戻る
  トップヘ トップページに戻る 部活動との付き合い方