キリスト教を背景とした教育と並び、英語に注力した教育が特色である聖学院中学校高等学校。5年前に『経験者クラス』の制度を導入し、帰国生のみならず学年全体の英語のレベルを高めることに成功しているとのこと。
貴校が帰国生向けに、英語の『経験者クラス』を作られてから今年で5年目になりますね。
経験者クラスは「小学校時代に経験した英語力を維持する」ということを目的に、コミュニケーション力を重視した指導をしています。ですが、文法に関してやや弱い生徒もおりますので、そちらのフォローもぬかりなく行っています。
やはり普段の会話では日本語の文法を特に意識しないように、実地で英語を覚えた皆さんは文法に関する知識がやや弱点となるのでしょうか。
とはいえ難関大学入試では、英語コミュニケーションの実用的な文章が多く出題されます。ですので、中学に入学する段階で英検2級や準1級レベルの英語力を持っている生徒の場合、コミュニケーション能力の保持と向上が重要であると考えていますし、大学入試の英語力も当然ですが、大学入学以降のことも考えて指導しないといけないと考えています。
英語に関しては、持ち前の語学力でなんとかしてしまえる、と。
ですが、やはり語彙力が不足しているという面は否めません。よって経験者クラスでは1人1人のレベルにあわせて、洋書や英字新聞などの課題を個別に出すことで、語彙力の向上を図っています。
貴校には、英語経験者にとって最適の環境が用意されていますね。ですが、あまりに英語が得意な同級生がいると、一般受験の生徒さんたちは逆に萎縮してしまう、ということはないのでしょうか。
いえ、5年前からの経験者クラスの導入により、本校には「生徒全員で英語をがんばっていこう」という雰囲気ができあがっています。 たとえば他の学校でしたら、帰国生の英語の発音が良すぎると、それがクラス内の軋轢を生んでしまうということがあるかもしれません。ですが本校では純粋に羨望の的としてとらえられており、一般生が帰国生に負けじと努力しています。
帰国生の皆さんは、一般生の皆さんにとってむしろ身近な目標となって、相乗効果を生み出しているわけですね。
その成果が数値となって現れているのが、英検の合格者数です。帰国生ばかりでなく一般生も含めた学年全体の英語の成績が伸びているというのがおわかりいただけると思います。
これは……もう一目瞭然ですね(笑)。
よく生徒たちは「リスニングが得点源になった」と言っています。帰国生が身近にいるということもありますが、本校ではネイティブの教員が英語で聖書を読んだり、賛美歌を歌ったりといったこともやっていますので、その成果が現れているのではないかと思っています。
センター試験でも英語のリスニングが課せられるようになりましたし、経験者クラスを導入してからの貴校の卒業生がどのような進学実績を残していくのか、いまから非常に楽しみです。
続いて、実際に聖学院で学ぶ生徒の皆さんにもインタビューを行った。中1・中2の帰国生・一般生あわせて8人に集まってもらい、学校生活や将来の目標などについて語ってもらった。
この学校の英語の授業についてですが、どういった感想を持っていますか? まずは帰国生の皆さんからお願いします。
一般生の皆さんはどうですか? 帰国生の皆さんと肩を並べていかなきゃいけない中での勉強は。
続いて、キリスト教に関する授業について聞きたいのですが、「聖書」の時間って何をやるんですか? 実際に受けたことがないので、イメージが湧かなくて。
では最後に、聖学院で様々なことを学んでいる皆さんですが、いまやっていることを生かして将来こんなふうになりたい、というような夢を聞かせてください。
以上のように、確固たる教育ビジョンを教師が持ち、その中で生徒が夢を目指して日々成長していっている聖学院中学校高等学校。これから行われる学校説明会にぜひ足を運んで、その教育理念を肌で感じていただきたい。