四谷大塚インターエデュ
この秋に考える「学力テストの活用法」
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四谷大塚が分析する「今年の入試・今後の入試」

中学受験生はどういった心構えで模試・テストを受け、その結果を日々の勉強にどう反映させていくべきなのか。「合不合判定テスト」をはじめとした信頼性の高い模試を行っている中学受験塾大手・四谷大塚に、中学受験の現状から今後の対策、テストの活用法などについてお話をお伺いした。

四谷大塚が分析する、今後の中学受験動向

‘07年は首都圏の中学入試で受験者数が5万人を超えて過去最高になった、ということで話題になりましたが、四谷大塚ではこの傾向をどのように分析されていますか?
四谷大塚は毎年、小6生を対象に『合不合判定テスト』を行っておりますが、9月・10月に行われた合不合判定テストの受験者数は昨年を上回りました。このことからも’08年の中学入試も今年と同等以上の激戦と考えられます。東京都に限って言えば、合計特殊出生率は10年前から横ばい状態ですし、この増加傾向は今後も数年間は続いていくであろうことが予想されます。
入試問題のトレンドについてはいかがでしょうか。またそのトレンドの中で第一志望校を目指す上で、どういった勉強が必要になるでしょうか。
2教科受験から4教科受験へシフトする傾向と、基礎力重視の傾向、それに加え、記述式の問題の出題がここ数年増えてきていることが挙げられます。こういった傾向の中、志望校合格を目指す上で最も重要になるのは、『基礎を固める⇒それを答案で表現する』という訓練を繰り返すことにつきます。

「予習」だけではない四谷大塚の指導

『基礎固め⇒表現』という訓練をするのに使われるのが、四谷大塚の代名詞ともいえる「予習シリーズ」ですね。
予習シリーズは、中学受験のバイブルとして、1960年から半世紀近くにわたって、中学受験生に利用されてきました。
予習シリーズでの学習は、授業を受ける前に自分で事前に予習をしておく必要があるのでしょうか。四谷大塚の予習に対して、復習をメインに据えた指導をアピールする塾もありますが。
その点は誤解されています。「予習シリーズ」という名称から、必要以上に“予習”という言葉がクローズアップされてしまっているようですが、四谷大塚では、予習も復習もどちらも重要だと捉えています。
やはり予習も重要なのですか。
テキスト
「予習」という言葉から、すべての内容を事前に理解しておくというイメージを持たれている方がいらっしゃるかもしれませんが、たとえば塾へ行く前に今日の学習範囲にさっと目を通しておく、というのも「予習」です。これだけでもその日の授業への心構えができます。その心構えが目標をはっきりとさせ、それが理解の促進につながります。
目標をはっきりさせることは大事ですね。
四谷大塚では、「予習シリーズ」という教科書を事前に渡してあります。学習予定表を見れば、どの週にどの範囲を学習するかもわかります。こうすることで、来週・一か月後、半年後……それぞれどのような学習をしていて、どのレベルまで到達するかという目標が明確になります。
なるほど。短期的にも長期的にも、目標が明確化してあるからこそ到達すべきところがわかり、到達できたということもわかりやすくなる、と。
「理解できた」という喜びは、大きなモチベーションにつながります。ですからそれを促進するきっかけとなる「予習」という概念を、中学受験の学習から完全に外してしまうのは、決していいことではないと考えています。それぞれの子どもの学力レベルによって予習の内容も復習の内容も当然変わってきますが、いずれにしても自ら考え、学習するという習慣を身につけることが重要です。
学習内容を繰り返し復習することで定着度を上げていく、という点についてはいかがでしょうか。
予習シリーズの大きな特徴の一つが「らせん型カリキュラム」です。ある単元について、基本的な考え方を説明すると、その先はらせん階段をのぼるように何度もくり返しながら、より高度な考え方を説明していきます。過去に学習した内容を思い出しながら、さらにその発展的な考え方を学ぶことになります。与えられたテーマに対して、多角的な視点を身につけさせることで、柔軟な施行を育む、これが「らせん型カリキュラム」です。そして、短いスパンでは5週に1度、前の4週分の復習をする週を設けていますし、もちろん長いスパンでもかつて学習した単元を復習する夏期講習のような機会を設けています。
名前こそは「予習シリーズ」ですが、カリキュラムの組み方は完全に復習をベースとしたもの、というわけですね。
一番小さな復習のスパンは1週間です。毎週、その週の学習範囲について出題する週例テストと呼んでいる確認テストを行っています。ちなみにこの週例テストは四谷大塚内だけでなく、全国の提携塾でも一斉に行われます。自分の学力の相対的な位置を常に確認できるのが、四谷大塚の強みです。

他の大手塾でも採用される四谷大塚の教材

提携塾というお話が出ましたが、四谷大塚の予習シリーズは他の多くの塾でも使用されていますね。
YTネットというシステムがあり、全国の提携塾に教材とテストを提供しています。現在、250塾もの提携塾が四谷大塚の予習シリーズを使っています。首都圏の中学受験生のおよそ2人に1人が予習シリーズを使って学習している、といえるでしょう。また、来年2月からは四谷大塚NETが全国に展開し、さらに多くの子どもたちに予習シリーズが使われていくことになるでしょう。
なるほど。四谷大塚はそれほど多くの校舎を展開しているわけではありませんが、教材そのものは全国の中学受験生が提携塾を通じて使用しているのですね。
教材やテストは提供していますが、予習シリーズを使ってどのように子どもたちを指導するかはそれぞれの提携塾によって異なります。四谷大塚では予習シリーズに精通した教科専任の講師が、全16校の校舎で受験指導を行っています。最も教材に精通した講師が指導するということが、四谷大塚の大きな強みです。

もう一つの魅力は信頼性の高いテスト

四谷大塚は教材だけでなくテストでも有名ですよね。特に、6年生向けの『合不合判定テスト』は、四谷大塚のと提携していない塾でも児童に受験させるほど。
四谷大塚の合不合判定テストは全国最大規模で、毎回20000人が受験する中学受験模試として、皆様に長年のご信頼をいただいています。やはりデータとしての信頼性は、受験生の母数が多ければ多いほど高まりますから。
合不合判定テストの活用法について、何か受験生の皆様にアドバイスをいただけないでしょうか。
まずは4回行われる合不合判定テストを全て受けていただきたいですね。4回のテストでほぼ全ての出題領域を網羅できるように作成してあります。4回の判定の結果を総合的に見て、最終的な受験校を決めるのがベストと考えます。
模試の結果から自分の弱点を発見する、というのは常道だと思いますが、これを効果的に行うにはどういった手法がよいでしょうか。
各問題の正答率に注目していただきたいですね。基本的なところでミスをしないというのももちろんですが、正答率が50〜60%くらいの問題で確実に点を取れるようになれば、合格の可能性はグッと上がっていきます。
まさに合否を分ける問題でいかに得点することができるか、ですね。
四谷大塚に通っている塾生には、志望校別の正答率も公表しています。各学校の受験層の傾向が反映された正答率と言えますので、より合格に近づけるデータと言えるでしょう。
受験学年以外では、学力テストをどのように利用すればいいでしょうか。まずは来春から本格的な受験勉強に入る新4・新5・新6年生についてお聞かせください。
四谷大塚では4年生から月例テストと学力判定テストというものを行っています。これはらせん型カリキュラムの一貫で行っているテストで、日々の学習や春・夏・冬の講習での成果を確認するための一里塚としての意味合いがあります。志望校の合否判定も行いますので、目標とする志望校への道のりがあとどれくらいかの尺度にもお使いいただけます。
あくまで定着の度合いを測ることを第一義として置きつつ、相対的な学力も睨む、といったものですね。
相対的な学力を測るうえで重要なのはやはり母数、総受験者数です。新4・新5・新6年生向けの大規模なテストとして、昨年まで「学力測定テスト」というものを実施していました。これは全国で2万人以上が受験する最大規模の学力テストだったのですが、今年はこれを発展させ、「全国統一小学生テスト」と名称を新たにし、さらに大規模なものとしました。
通塾や中学受験をお考えのご家庭では、まずは全国的な「全国統一小学生テスト」で、自分は今、何が得意で、何が苦手なのか。全国のライバルたちの中で自分は今どのあたりにいるのか。今の自分の力が確認できるこのテストを受験していただきたいですね。

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