キリスト教男子校の英語教育〜4年目の挑戦〜

4年間での成果、今後の目標〜高校生になってからの英語〜

インターエディズアイ

大学入試で最も重視される科目は「英語」です。国公立私立、理系文系を問わず、ほぼ全ての大学入試で英語が課されます。また、就職においてもTOEICや英検など、英語力を試される機会は日々増えてゆく一方です。つまり、英語をしっかり学んでいれば自分の将来を切り開く上で強力な武器となるのです。

初めて英語を学ぶ中学1年生にとって、英語が話せる仲間がいると言うのは心強い存在です。帰国子女を受け入れる学校多くありますが、同じ教室で学ばせている学校はどれだけあるでしょうか?

インターエデュでは、2004年2005年と聖学院の英語教育を追いかけてきました。2003年の新カリキュラムで学んできた生徒たちは、今年の春に高校生になり、さらに学力に磨きをかけています。この特集では、彼らの足跡とそれを支えた先生たちの声、そして今年の春に入学した新一年生に注目していきます。

英語教育の成果〜新プログラム履修生の英検結果

〜新プログラム生の英検結果〜(2006年3月現在)
  2級 準2級 3級 4級 生徒数
一期生(中3修了) 12名 55名 129名 166名 170名
二期生(中2修了) 3名 23名 98名 186名 207名
三期生(中1修了) 2名 5名 29名 121名 209名

上記の表は聖学院中学高等学校の英検取得割合です。中学卒業程度といわれている英検3級に、中学2年98名が合格しています。トップ層ばかりを目立たせる学校が多い中、着実に全体のレベルを上げることに成功してきました。

聖学院では海外帰国生が習得した英語力をさらに伸ばし続けることで、英語初学者である生徒たちにも良い影響を波及させていることがうかがえます。

英語教員座談会〜自由に英語が話せる雰囲気とは〜

英語既習者と英語初学者とを分けて授業を行う「英語経験者クラス」を導入してから今年で4年目を迎えます。
この新プログラムの成果について、担任経験者の教師陣にお話を伺いました。

臼井先生吉田先生倉澤先生
英語経験者クラスが出来て変わったことはありますか?
臼井先生: クラス全体が英語好きになったと思います。みんなで一生懸命勉強していこうという雰囲気が出来上がったのが良かったですね。また、中学から初めて英語を習う生徒と比べると、理解のスピードが格段に速いです。使っている教科書は同じでも、どんどん先に進んで行くので、私自身も以前より英語を勉強するようになりました。
吉田先生: 経験者とはいえ、最初からあまり高い要求をしてはいけないと思っていました。でも、生徒の能力は考えているよりもすごいスピードで伸びてゆくと感じています。私自身も、生徒の英語力をきちんと伸ばすことが出来てきたので、以前より自信がつきました。
倉澤先生: 私は、「英語教育とはこうゆうものだ」という型にはまった先入観があったんだと思います。ところが、新しいクラスを通じて、いままでとは違った勉強方法を考えるようになりました。生徒たちの協力もあり、英語の新聞を読む事や、小説を題材にする等、良い意味で英語の勉強方法の幅が広がっていったことが、非常に大きな変化だと感じています。
英語経験者クラスの一番の成果は何ですか?
臼井先生: 一番大きいのは周囲への影響です。中学2年以降のアドバンスクラスは英語経験が無くても入れるのですが、最近は一般クラスからこのクラスを目指す生徒が増えてきました。英語に取り組む全体の雰囲気が変わってきましたね。
吉田先生: 確かに、経験者クラスの授業内容を知って刺激を受けたのだと思います。一般クラスの生徒にチャレンジする意識が広がり、学校全体の雰囲気が活性化してきたことは私も感じています。
次の目標を教えてください
吉田先生: 生徒達にきちんと自分の意見を言えるようになってもらうことが目標です。英語が受験やビジネスのための単なる道具になってほしくないのです。英語を通じてグローバルな視野を身につけることと、日本人的な考え方や自分考え方を人に伝える方法を学んでほしい。最終的には、個人それぞれが持つ英語力の可能性を広げてもらうのがゴールだと考えます。
倉澤先生: 中学一年はインプットの時期です。私が担任する中学2年生は最初の1年間で「良い英語」をたくさん蓄えたはずですから、今年はそれをいろいろな形でアウトプットする機会を豊富に提供しようと考えています。
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