校長インタビュー:「女子は理数に向いていない」は偏見。女性ならではの視点、感性で社会を豊かに!

写真:正直さ、謙虚さも養える実験・実習

インターエデュ(以下、エデュ): 和洋国府台が目指す「女子の理科教育」には、どのような想いや願いがこめらてれていますか

校長: 大きくは二つです。
ひとつは、理科は生活の科学そのものですので、それを通して、自分自身の人間性を高めてほしい。ここでの「人間性」とは、自然の中での自分、生きている自分と“もの”との関わりをしっかりつかんでほしいということです。
もうひとつは、女性として、ものづくりの世界で生きていく土台をしっかり中学高校で学んでほしいということ。
これらのために、しっかり理科を勉強できる教育体制をとっています。

「ものは嘘をつかない」、実験では自分が手順や方法を間違えたら、間違えた結果しか出てきません。自分は嘘がつけないと実感させられる。
毛糸の編み物では、所々で点検確認を行い、間違いはその場所までほどいてやり直していきます。取り繕いに多くの時間と労力を費やすのではなく、誤ったら戻ってやり直す、それが確実で信用を保つ基です。
正直さ、謙虚さを養うことができるという面でも、実験や実習を大切にすることには大きな意味があると思っています。

写真:正直さ、謙虚さも養える実験・実習
 
写真:正直さ、謙虚さも養える実験・実習

エデュ: よく『女性は理科が苦手だから』という言われ方をされますが・・・

校長: これは偏見だと思っています。男女共学の中で、男の子に合わせた教育がされてきたことが原因だと思います。

エデュ: 男の子と女の子の教育の違いは、どんなことでしょうか?

校長:男の子は、段階的な進め方には飽きやすく、ときに難しい問題や違った分野を混ぜる必要がある。それらを解き明かし、すべてが根っこでつながっていると発見することで、目を輝かせて次に行こうとする。
けれども女の子は、違います。
ステップバイステップ。繰り返しを入れながら段階的に進め、また、友達同士でお互いにそのステップを確認しながら進めていく勉強の仕方が良いと思います。
女の子は、ものとのつながりを根っこから大事にしますし、五感を通して感じたもの、視界に入るもの全体を総合的に、感覚を通して見ることができます。女の子の学びのペースに合わせた教え方をすれば、理数を苦手とすることは決してないです。

実際の社会でも、女性の感性に合わせたものづくりがあって当然だし、できるはずです。キュリー夫人のノーベル化学賞ではないですが、女性が理数を生かした分野にいけば、必ずそこにひとつの世界が開けていきます。医療の世界でも、建築の世界でも、電化製品にもこれから女性の感性を生かしたものがどんどん出てくるだろうと思います。

写真:友達とステップバイステップ
写真:女性の感性がひかるダンス部の演技

エデュ: 卒業生は、どのような場で活躍していますか?

校長:実際に住宅設計や建築に携わっていたり、大学院で建築を学んで、カンボジアやベトナムで建築の研究をしている者もいます。食品関係もいますし、看護師、薬剤師で活躍している卒業生も多いです。お医者さんや歯医者さんもいますし、評判はいいですね。女性だと妊婦さんへの対応などでも適切な言葉をかけられるので、安心してもらえる。女性だからこそ伝わる想い、患者さんの気持ちを汲み取れるという面があります。

エデュ: 先生が抱かれる生徒さんの将来像を教えて下さい。

校長:天台宗の最澄に「一隅を照らす、これ国の宝なり」という言葉がありますが、まさにその通りで、自分の生活に関わる人々を、いかに大切にしているかが大事だと思っています。
個々の職場でみんな苦労している中、周りの人の気持ちを軽やかにして、明日また頑張ろうねという気持ちに持っていくことができる子であれば、素晴らしい和洋の卒業生です。
あなたと一緒にいると安心する、あなたといると明日への力がわいてくるという人。そういう女性であれば、最高だと思っています。

人やものとのつながりの大切さを、自然と感じ取りながら生きていけるのは女性です。行き詰まった日本社会を豊かにしていくのは、女性の感性だと思っています。

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理科担当教員インタビュー:身近なものを素材にした実験。理科は生活の中にある!苦手意識、抵抗感をなくし、中学3年で6割が理科好きに

写真:身近な素材での実験・実習

インターエデュ(以下、エデュ): 実際、授業の中で取り組んでいる実験は、どのようなものでしょうか? 特徴的な内容を教えてください。

砂川先生: できるだけ生徒たちの身近にあるものを実験に用いて、理科が特別なものという印象を持たせないように、身の回りにあるもので、これだけの現象が見られるんだということを基本にして実験を行っています。

たとえば、アジやイカの解剖で使う材料はすべて魚屋さんで調達し、時価でいくらといった話もし、家にも話題を持ち帰れるような工夫をしています。理科の技術ということだけでなく、実際の生活で使えるように、アジを刃物を使わず指1本で3枚におろす方法を教えると、感心して熱心に見ています。背骨を折って中をひっぱると白い糸のようなものが出てくるのですが、脳から続いている神経だと教えると驚く。ホントに素直な反応が出てきますね。
校長も常々言っていますが、理科を生活の科学としてとらえるという考え方を持って、学校として取り組んでいます。

写真:中高一貫校だからできる理科教育
写真:理科教育について語る砂川先生
 

 
写真:生徒の実験レポート

エデュ: 授業を通して、生徒さんにどのような成長を期待していますか?

砂川先生:まず、中学の段階では、理科に対する抵抗感や難しいといったマイナスのイメージをなるべく持たせないようにと思っています。
理科は難しいものではなく、身の回りにあるものだとわかってほしいですし、できるだけ楽しいものを用意し、入り口を広くしてそこにどんどん入ってきてほしいです。

エデュ: 今後、どういったテーマに取り組む予定でしょうか?

砂川先生:今後の課題は、考えをまとめて考察したり、発表したりする場面を多く作っていくことです。今の中学生はコミュニケーション能力が不足しているところがあるので、そういう面も伸ばしていけたらと思います。科学的思考は実験を通して養えるのですが、それ以上に表現力や考察力を育てていきたいと考えています。

今の中学3年生は、今までに他の人がやっていない実験を行おうということで、ダンゴムシとワラジムシの行動比較の研究をしています。9月の日本動物学会で発表することが決まって、生徒のモチベーションも上がっています。全く結果がわからないものについて取り組んで考えたり、まとめたものを班同士で発表する時間を作れたので、そういった意味で一石を投じることができたのではないかと思っています。

エデュ: 高校になって、理科が難しくなると苦手に思う生徒さんも出てくるかと思いますが、どのように対応されていますか?

砂川先生:高校でも実験の数を増やそうという流れがあります。また、先取り学習をして、難しくなることが実体験として理解できるようにし、スムーズに進んでいける工夫はしています。 ただ、進路のことで悩んでいる時、難しいとか、できないとかで進路を選ばす、興味が持てるかどうかを大切にしてほしいと思っています。そこが最終的な伸びしろの違いになります。少しぐらい難しくても、簡単に苦手だと決めつけてしまわないこと、苦手意識が自分の発展を止めてしまうことになるということは常々言っていますね。

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和洋中学の理科教育とは?実験重視で自然科学の面白さを体験。科学の視点でとらえ、考える力を養う!

中学の理科では、3年間で合計90回程度の実験・観察を行っており、週4時間の理科の授業のうち、2時間を実験にあてている。教科書に載っているものから、教員が考案したものまで、内容はバリエーション豊か。
生徒達は五感をフル活用して実験に臨み、実験後は必ずレポートにまとめる。
※実験のテーマや目的、手順、結果、そして考察と感想をまとめる。

様々な実験から観察力・考察力を育成することはもちろん、実験を通して自然科学の面白さを体験することで、苦手意識を排除してほしい。
砂川先生のインタビューにもあったように、日頃から身の回りの世界を「科学の視点」でとらえてほしいと考えている。

写真:生徒達の笑顔

中学3年生の実態調査では、7割近い生徒が実験が好き、6割近い生徒が理科が好きだと回答している。
(一般の中学女子で理科好きは4割弱という結果からすると、実験重視が理科好きに結びついているものと考えられる。)

また、自然豊かな環境を生かし、フィールドワークも充実しており、植物観察や野鳥・地層観察・気象観測なども行われる。机に向かい、自然界の現象・理論や法則を学ぶことも大切であるが、五感をフル活用して実体験から学んだ知識と習得した技術は、高校でのより高度な学習、延いてはそれに続く大学受験に向けての勉強に役立つ。科学の視点からとらえる考え方を養うことで、文系・理系を問わず、自然観・分析力・応用的なものの見方が身につくことを期待している。

高校では、年々、理系選択者が増加している(現時点で大学進学の内訳は、文系70%、理系30%)。また、ここ数年で実学志向が高まり、薬剤師・看護師・管理栄養士の資格取得が可能な学校・学部への進学者も目立っている。

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学校の雰囲気を知る一番の近道は、イベントに参加することだろう。
学校説明会だけでなく、体育大会、学園祭にも是非足を運んでいただきたい。

開催イベント 日時 イベント概要 お問い合わせ
学校説明会 9月29日(土) 10:00~ / 14:00~
11月10日(土) 10:00~ / 14:00~
学校生活、入試の傾向と対策などご説明いたします。
予約不要
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体育大会 9月22日(土・祝) 9:00~14:00 質問コーナーを設けております。
雨天順延。
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学園祭 10月27日(土) 公開 13:00~15:00
10月28日(日) 公開 9:00~15:00
28日(日) ミニ学説を行います。 10:00~ / 14:00~
質問コーナーを設けております。
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学校見学会 お電話にてご予約ください。
※日曜・祭日 12/29~1/4は除く
本稿職員がご案内いたします。 ご予約はこちら
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