八王子学園 八王子中学校・高等学校>連載コンテンツ>第5回 主体的な力を育む「キャリア教育」
中学が開校して2年。八王子学園八王子中学校では、中学ならではのキャリア教育に取り組んでいます。体験を重視したカリキュラムや、大学・企業との連携など気になる実態を、進路指導担当の吉村先生にお話をうかがいました。
「キャリア教育とは、主体的に考える力の育成である」というのが、八王子中学校の考え方。
今の中学生は「受け身」な子が多く、自分でもの考えて解決する手立てを見つける力が弱まっていると、先生は危惧されていました。自分で考えて行動する力を身に付けるのは学校の役目だと、力強く話されます。
「キャリア教育」としてのカリキュラムは、中1で「学ぶとは何か」、中2で「働くとは何か」、中3では「大学とは何か」をテーマにした、体験型の内容を多く設けているといいます。
『これらを出発点として、ゆっくりじっくり考えてもらいたい』と、先生が繰り返しお話されていました。中学での3年間は、高校・大学・将来へつながる時間として大切にされていることがうかがえます。
吉村先生:1年生は「日本文化体験」。地元の畳屋さんへ行ったり、八王子の伝統芸能である「車人形」に親しんだりしながら、勉強とは直接関係ない部分から「学び」を考えます。
たとえば、車人形の家元が生徒に話してくれた『まずやってみよう、やってみて面白くなければやめればいい。でも、やる前から面白くなさそうだという発想でいる人は面白くない』という一節。まず動いてから考える。これも、主体性につながることなんですよね。
この他の学校行事でも、学ぶを考える機会がたくさんあります。
吉村先生: 2年生で大きいところだと、「学校で働いている人たちの仕事体験」。身近でどんな人がどんな想いで働いているのかを感じるのがねらいです。
3年では、企業や大学との連携を予定しています。中学生のうちは、受験をひとまず置いた状態で、「働くとは何か」「大学とは何か」に向き合ってもらいたいです。
吉村先生: 近隣の東京農工大学、一橋大学や首都大学東京など国公立大学との連携を考えています。というのも、進学を考える際は、国公立を意識できるようにしていきたいんです。だから、今の中学生には、みんな東大を目指してほしい!
最終的にどこを受験するかは、高3になってから決めればいいのですから。自分の道を見つけてくれたらと思っています。
そして将来、“一緒に仕事したい!”とか“この人になら任せられる!”とか、そういう大人になってほしいですね。
中学の良いところをたずねると「学年の全教員が、生徒全員を知っているところ」だと先生は教えてくれました。大学受験のためではなく、生徒たちの将来を見据えて指導をする学校の姿勢が、キャリア教育に限らず学校生活全般に表れているようです。 学校説明会や個別質問に参加すると、その一端をきっと感じていただけますよ。