子どもを中心に考えた学校
成城学園初等学校では、子どもを中心に考えた学校づくりを目指し、自由な環境のもと「真の教育」を研究・実践しています。中でも最も大切にしているのは「感じる心」と「考える力」。独自編成のカリキュラムや、子どもたちと先生の絆など、オリジナリティーにあふれた教育を実践しています。校舎には「職員室」がなく、先生の事務作業はすべて教室。子どもが何でも話せるように、先生はいつも見える場所にいます。
そんな環境で実践される特色ある授業「劇」について、担当の加藤先生にお話をうかがいました。
劇が子どもにもたらすもの
全国の「学芸会」発祥の地で、学べる
エデュ:「劇」の授業の歴史を教えてください。
加藤先生:大正10年に、当時の主事が発表した『学校劇論』から、「子どもたちの真の人格を作り上げるため」「純然たる芸術のため」という目的のもと始まりました。同年秋に開催された「第1回成城・学校劇発表会」には全国から2,000人以上の先生方が参観に来られ、その結果、全国で「学芸会」が開催されるようになったのです。
何でもチャレンジできる場所=教室
エデュ:「劇」の授業はどのような雰囲気ですか?
加藤先生:授業では、成長過程に合わせた即興劇をします。私たちが与えるのは大枠だけ。0から子どもたちに考えさせ、自由に発信させます。失敗しても、「繰り返し」「経験すること」が大切です。重要なのは、何でもできる雰囲気作り。授業の前半はゲームで心と体をほぐし、失敗を恐れずチャレンジできる教室環境にしています。
友だちのいいところと、新しい自分に出会える
エデュ:「劇」を通して子どもたちはどのように成長していきますか?
加藤先生:まず、友だち同士のコミュニケーションを深めます。遊びや他の教科では見ることのできない、友だちの新たないいところを「知る」ことができます。
また、自分に自信を持ちます。自ら発信する経験を積む中で、「ウケる」という経験に巡り合い、友だちからもらうたくさんの拍手で、大きく変化するのです。
教室中が拍手と笑いの嵐に
ルール
- 怖いオオカミ(先生)が待ち構えている一本橋を渡る方法を考えます。
- 子どもたちは自分の演じる動物を決められます。
- ただし、力ではオオカミに勝つことはできません。頭を使って勝負しましょう。
ルール
- 教室の前で、しりとりの内容をジェスチャーで表現します。
- クラスメイトにしりとりの内容を当ててもらいます。
- ただし、声を出すことと道具を使うことはできません。
ルール
- お題として、劇の始まりと終わりを与えられます。今回は「あるところに●●が好きな王様がいました」という始まりと「あーもう●●はこりごり…と王様は言いました」という終わりが決められ、●●に適した言葉と、劇の間の出来事を考えます。
- サルが笑わせて倒す
- ネズミがお茶会に誘い、一緒に橋を渡る など
- 全身をまっすぐ上にのばして、スカイツリーを表現
- 小さくなり、物を食べる仕草でリスを表現 など
- ●●は「カレー」。辛いカレーを「甘い」と言って食べさせる
一人でのチャレンジではほぼ全員が積極的に挙手し、グループ活動では真剣に作戦会議が行われました。短時間で行われる真剣勝負の繰り返しに、時折見られるユニークなアドリブ。教室は終始、笑いと拍手の嵐が起こっていました。
取材を終えて
「楽しい!」「大好き!」と子どもたちからも大好評の授業。見ているだけで、パワーをたくさんもらいました。生徒・先生・保護者がみんなで協力して作り上げる「劇の会」は、7月に公開リハーサルを控えています。この機会にぜひ、成城学園初等学校の生徒たちのパワーを肌で感じ取ってみてはいかがでしょうか。
イベント情報
「劇の会」事前舞台練習
公開リハーサルの観覧ができます。
日にち | 時間 | 学年 |
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7月5日(金) | 10:40~11:25 | 4年柏 |
11:30~12:15 | 6年柊 | |
13:25~14:10 | 5年梓 | |
14:15~15:00 | 3年藤 |
学校・授業見学<要電話予約>
平成26年度の新1年生入学試験に向け、学校・授業見学を行います。
今年度は9月30日(月)までの日常の授業をご覧いただくことが出来ます。
見学をご希望の方は、事前に授業日を確認の上、お申し込みください。詳しくは学校サイトをご覧ください。