宮本康司先生
東京家政大学環境教育学科講師、理学博士
東京工業大学生命理工学研究科博士課程修了。お茶の水女子大学特任講師、同大学特任准教授を経て、2011年より現職。 専門分野は行動生態学、環境教育学、科学教育学。
よく「研究者は探偵であれ」と言われます。
研究の第一歩は、まずモノを見ること。
しっかりと「観察」をする。すると、見たことのあるモノ、知ってるはずのモノなのに、なぜこんな形をしてるんだろう?どうしてこんな行動をとるんだろう? といった「どうしてなんだろう」という気持ちがわいてきます。
そこから、興味や集中力が育ち、そのモノについて考える、そして、探偵と同じように、自分なりの推論をあて、それを立証していく作業に入るのです。
これは、研究に限らず、子育てにもあてはまります。
「知ってる」と思い込まず、子どものことをよく観察してみてください。そして、子どもの行動や言動を「どうして?」と考え、その子がなにを考えているのか、なにを望んでいるのか推理してみてください。きっといろいろな発見があるはずです。
「ぼくのT-Style ~こころ育むたび
第2回観察は発見のタネ」 から
池田まさみ先生
十文字学園女子大学人間生活学部人間発達心理学科准教授
お茶の水女子大学大学院博士課程修了 博士(学術)。お茶の水女子大学大学院助手、講師、准教授を経て、2012年より現職。専門分野は認知心理学、実験心理学、発達教育工学。
人間は、嫌々学ぶよりも、楽しく学んだことのほうが、よく身につくと言われています。
最初は単なる好奇心に過ぎなかったものから、なにか「好きなこと」を見つけ、そこに興味を持つからこそ、知識を得ようとします。そうして得た知識を持ってはじめて、世界の意味づけを行い、新たに「知りたい」ことや「調べたい」ことが出てくるようになります。それが「知的好奇心」です。
子どもの「知的好奇心」を伸ばすひとつの方法は、子どもが好きなことをみつけられる環境や機会を多くつくること、そして、興味のあることを正しく導いてあげること。
そのためには、親も子どもと一緒にいろいろな体験を重ね、子どもの真の姿をよく見て、まずは子どもの「好奇心」を引き出すチャンスをつくることが大切です。
これは、『旅いく』プログラムが、親子参加型になっているひとつの理由でもあります。
「わたしのT-Style ~こころ育むたび
第5回知的好奇心は5才から」から