中2から高1まで通っていた塾で慕っていた数学の先生がSEGに移られたことをきっかけに、高校2年からSEGに通うようになりました。それ以前に、中3の時にSEGに通っている友達に誘われて、数学の講習を受けたことがあって、良いなと思って覚えていたというのもありましたね。解答に対して、「こういう解き方の方が良い」「こんな考え方が良いんじゃない」などと生徒達が積極的に言っていて、おもしろそうだなと印象に残っていました。
SEGの先生はおもしろくて、キャラクターとして魅力がありましたね。先生が大好きだったので、毎週、楽しく通っていました。
数学については、テキストに書いてあることを覚えるという授業ではなく、はじめから理論を構築していくといった感じなので、どうしてそうなるのかといった疑問を残すことなく、自然に理解できるのが良かったです。物理は、歴史や行われた実験から紐解いて理論を説明してくれるので、興味深くわかりやすかったですね。
SEGの教材は、問題が難しくてじっくり考えるものが多かったです。テキストの終わりにあるチャレンジ問題(1週間も考えてもわからないような難しい問題)をレポートにして提出すると先生がほめてくれるんですが、結構みんなおもしろがってやっていて、楽しかったです。
SEGは、自分で別解を考えてくると、それを取り上げて盛り上がる雰囲気で、そういう生徒が多かったことも刺激になりました。
学校では合唱部に入っていて、高2の秋の文化祭までは部活中心の学校生活で、公演前などは6時位まで練習があって、SEGの授業に遅刻してしまうようなこともありました。
SEGの授業は楽しかったので、しっかり聞いていましたが、特に受験を意識することなく、ノートを見直すという程度でしたね。受験を意識するようになり、いろいろ対策を立てたりして考え始めたのは、高校2年の冬期講習の頃からです。その頃からは、得点を取らなければと意識し、問題を解いて復習することにも時間をかけるようになりました。
その頃は『大学への数学』(東京出版)の学力コンテストの問題など、時間をかけてじっくり解く問題をやっていることが多かったです。夏休みは時間があると言われるんですが、講習がかなりあり、その予習、復習に時間がかかって、それほど余裕がある感じではありませんでした。ただ、物理については、高2の時、部活に忙しくて抜けている部分が多かったのですが、夏休みにSEGで分野別の講習を集中してとって、予習、復習にしっかり時間をかけて勉強し、穴を埋められたのが良かったと思います。
数学と物理はSEGでテストゼミを受講していました。毎週テストを受けて、その点数を目の当たりにするというのは、結構きつくて……、なかなかハードでしたね。
私はテストが嫌いで、じっくり考えて、おもしろい考えができればいいと思っていたんですが、実際、入試では点数が取れないとダメなんで……。
先生がテスト嫌いを解消するアドバイスをしてくれたりして、毎週繰り返す中で、「本番ではないので、初めは間違えても見直してできるようになればいい」というように考えられるようになりました。
テストゼミでは、テストが終わった直後に解説があります。できなくて悔しかったという思いが頭に残っているうちに、黒板で鮮やかに問題を解かれると、ああそういう解き方があるんだと印象に残りました。
また、問題は入試本番よりも難しいものが多く、入試に出題されるような問題が、テストゼミでは絶対落としてはいけない問題という扱いになっていました。テストゼミで点数が取れなくて苦労したので、入試の方が楽に感じましたね。まんべんなく解くのではなくて、何問かは完答するようにといったテクニック的なことも言われました。時間配分についても考えるようになりました。東大の試験は150分ですが、90分で何問かを完答し、残りの60分で手をつけていない問題の部分点を取りに行くといった配分を意識しました。
過去問中心の勉強ですね。センターは慣れていなかったので、とにかく量をこなしました。センターは簡単と思われがちですが、そうでもなくて、センターに対応した解き方などわかっていないところもあり、意外に穴があったので、間違えたところ、直さなければいけないところを1回1回反省して、過去問集に赤でチェックし、復習しました。
東大の過去問は、初めに本番のように時間を計って時間配分やどこで得点できるか考えながら解いて、得点の確認はそこまでとして一旦終わりにして、その後、時間を気にせずに最後まで解いてから、解説を読んで解き直しました。そこでわからないところはノートを見直して、確認したりしました。時間もかかるし、結構大変でしたね。
最初はスピードについていくのが大変なのかなと思っていましたが、量もこなせないほど多いわけではなく、先生の雑談も結構あったりして、ゆったりしているように感じました。必要なことをポイントを絞って勉強する効率の良いカリキュラムだったからだと思います。
カリキュラムがまだ終わっていない夏に受けた東大模試では、解けない問題が半分くらいで、得点も1桁で、多少不安はありましたが、SEGの合格体験記で「速修」で絶対間に合うと書いてあったので、素直に信じて、それほど気にしませんでした。
苦手な分野については、通常のコースで使われるのと同じチェックシートで確認したりもしました。「速修」を終わって、冬に過去問を解き始めた頃には、高2から2年間受講するコースの子と同じくらいに解けるようになって、意外とできるようになっているのかな、と実感しました。
午前中で学校が終わることが多かったので、だいたい1時半から、自習室が閉まる9時まで自習室で勉強していました。
SEGの自習室はだいたいメンバーが固定していたので、途中休憩をとって、「自習室友達」と外で何か食べたり話をしたりして気晴らしをして、また頑張るという感じでしたね。自習室に行くとみんなが勉強しているのが見えるので、自分も頑張ろうと自然にモチベーションを保てました。
不安なことがあると、すぐ先生に相談していたのも良かったと思います。得点が伸びなかったり、解けない問題があるとき、自分の考えだけで凝り固まったりするよりも、先生に聞いた方が良いときもあると……。
SEGは先生に気軽に質問したり、相談できる雰囲気で、具体的にアドバイスをしてくれましたね。気弱になって「落ちそうな気がする」と口にしたときにも励ましてくれ、精神的にも支えてくれていたと思います。
問題を解いてできないと焦ったり、落ち込んで、調子が良かったり悪かったり、毎日が激動で、毎日がつらかったと言えばつらかったのですが、勉強が好きだったので、それも含めて楽しんでいたようなところがあります。
自習室で勉強して疲れて帰ると、母は笑顔で迎えてくれて、ご飯を用意してくれました。家では楽しく過ごせるように環境を整えてくれていたと思います。
父は普段と変わらず接してくれ、両親とも成績のことについて言うようなことはありませんでした。自習室での勉強が中心で、家ではあまり勉強しないで、家は休むところにしていましたね。
夏は1日中勉強するとか、直前は徹夜するとかではなくて、受験勉強を始めて約1年間、ペースを崩すことなく勉強できたのが良かったと思います。毎日11時半に寝て朝6時半に起きる。学校にいる間に何をやるか頭の中でだいたい決まっていて、その後は自習室で勉強して、帰りの電車の中で反省をして、帰って寝るという同じサイクルで勉強できたことでしょうか。
受験の鉄則みたいなものとか、たとえば夏は400時間勉強しなければダメとか、そういう周りの情報に振り回されないで、自分のペースを守ってやっていくのが良いと思います。また、「参考書を2周した」というような自信のつけ方でなく、自分でやることを判断して必要なことを必要なだけやるということが大切ではないでしょうか。
SEGで受験勉強をすると、みんな楽しかったと言うので、楽しいというのが一番だと思いますね。受験で点を取らせるためだけに授業をするという先生がいなくて、勉強が楽しくてちゃんと勉強しようというという人達のために、数学や理科を丁寧に教えるという趣旨なので、それに合っていたんだと思います。勉強を一生懸命やる楽しさがわかりましたね。
他の塾では教科書に書いてあることを教えるだけで、生徒が考えられるようになることを忘れているんじゃないかと思うようなこともありましたが、SEGでは自分で手を動かして問題を解くのを大事にしていて、身体や頭に思考回路をなじませるような感じで、浅い記憶ではなく、きちんと理解して思考できるようになると感じました。
大学に入ってからは、SEGに通っていて良かったと思いますね。数学の演習クラスで、周りの人が見たことのない問題に戸惑う中でも、とりあえず問題と向かい合って考えてみれば、自分の頭でわかるんじゃないかなと思えるくらいには、自分の頭をきちんと使うということに慣れましたね。大学での授業のテンションというか、進め方が、SEGに似ている感じもあって、抵抗なく大学での授業に入っていけたところもありました。