まずはこちらの記事をご覧いただきたい。インターエデュが過去4年間、関東学院中学校高等学校を取材してきたものだ。新校舎、週6日制カリキュラム、ハワイ島への理科研修、大学進学への進路指導など改革がすすむ関東学院中学校高等学校をインターエデュが取り上げ、特集してきた。これらの改革によって着実に成果を出し、様々なマスコミでも注目校として取り上げられる当校。改めて冨山隆校長にお話をうかがった。
「壁を見ろ、それを越えろ~関東学院中学校高等学校の『原石』を輝かす進路指導改革~」
http://pr.inter-edu.com/081225/
「伝統あるキリスト教中高一貫校の2008年度新カリキュラムと新校舎」
http://pr.inter-edu.com/071225/
「自己開発プロジェクト~6年間を書き込む手帳。そこに何を書き込みますか?~」
http://pr.inter-edu.com/061225/
「2006年夏いよいよスタート!」
http://pr.inter-edu.com/051129/
校長就任7年間をふり返られていかがでしょうか?
冨山校長(以下校長):就任した7年前、まず手をつけるべきところは2つありました。伸びしろがある生徒を学校がしっかりと受け入れること、そしてその子たちを成長させていく教育です。そういった方針から学習の基礎体力をつけるために週5日制から週6日制のカリキュラムへの変更、部活も勉強も両立し進学したい大学への進路を実現させる指導の充実に力を入れました。その結果、生徒一人ひとりが希望する進路をかなえられるようになってきています。教職員が生徒とともに取り組んだ成果です。
進学実績も上がってきていますね。
校長:ええ。しかし、大学合格者数や偏差値だけを評価するのではなく、生徒が本当に行きたい大学を見つけることこそ、大切にしたいと考えています。生徒本人が自分で決めたことは失敗しても分析し、再チャレンジしようとする。そういう過程こそ、本当の学びの機会となります。本校はキリスト教の学校です。週1時間の聖書の授業や週2回の学年礼拝、1週間に3回聖書に触れる生活を6年間続けます。神様のことばに与えられた心を育てることが、教育のもう一本の柱です。
2009年1月、関東学院中学校高等学校は創立90周年を迎えた。さらに学校法人関東学院も10月で創立125周年を迎えた。この伝統ある学校の記念事業の最後を飾るイベントとして、2010年1月27日に神奈川県民ホールで記念音楽会が実施される。音楽会では作曲家・井口拓磨氏の新作が初演される予定だ。
井口氏は関東学院中高を卒業後、慶応義塾大学に進学、卒業時には塾長賞を受賞。音楽大学等へは進学せず、映画、テレビ舞台等の音楽制作で活躍中という異色の経歴の持ち主である。中高生時代にできるだけ多くのことに挑戦し、将来の専門性につなげていく、関東学院中高ならではの卒業生ともいえる。20代で夢をかなえた卒業生に今に至る道のりをふり返ってもらった。
校長:卒業して10年経つのですね。久しぶりの母校の印象はどうでしたか?
井口拓磨氏(以下井口):生徒さんたちは素直であいさつがしっかりできる、そんな印象でした。
校長:素直なところはうちの生徒のいいところですね。今、井口さんはいろいろと活躍されていらっしゃいますが、ご自身の中学高校時代をふり返って何を思い出しますか?
井口:僕は当時、とても内気な性格だったと思います。ふり返れば、中学3年生の時、先輩の紹介で偶然福田武さんの花火写真と音楽を融合したワークショップに参加したことが今の仕事につながる原点です。あの時に見た花火の感動を音楽で伝えたいと思ったことがきっかけでした。
校長:大学は慶應大学経済学部へ進学したというのは音楽以外の選択肢をもっていたのですね。
井口:実は慶應大学は記念受験のようなものでした。
音楽をやりたいと思っていたので専門学校への進学を考えていたのですが、両親にそのことを伝えたら、大反対され、「一芸に秀でるものは多芸にも通ず」という言葉を突き付けられたんです。そこから大学進学を考えました。
ただ、英作文の問題が、「あなたにとって音楽とはどのようなものですか」(英文で)ということで、これは思いの丈を一気にかけましたので、満足しました。まさか、慶應大学に受かるとは思っていなかったのですが…(笑)。
校長:就職活動はしたのですか?
井口:もちろん、考えました。就職活動も行い、内定確実の会社もありました。どうしても最後は音楽に可能性をかけてみたくてイバラの道と分かっていても、僕にはこの道しかないと音楽の世界を選びました。
校長:今でこそご活躍されていますが、やはりイバラの道は険しかったですか?
井口:そうですね、最初はオーディションやレコード会社への売り込みが大変でした。就職した大学の友人との格差にも閉塞感を感じたりしてしまうこともありました。でも、自分のやりたいことを大切にするという中高時代に身についた精神が僕の表現したい音楽に結びついてきているのかなと思っています。
校長:ますます活躍されて後輩たちに希望を与えてくださることを楽しみにしていますよ。
井口:校舎も新しくなって、僕が在籍していたころはなかったオーケストラ部もでき、結成5年目でレベルの高い曲を演奏していますね。僕のいた時より、情熱をかたむけられる場所が増えているようでうらやましいです。今回は貴重な機会を与えてくださり、ありがとうございました。
関東学院中学校高等学校では、マーチングバンド、ハンドベル、オーケストラと音楽系の部活が盛んだ。約1500名の全校生徒のうち、200名以上がこれらの部に所属している。そのうえ男子の割合も高いそうだ。生徒一人ひとりの持ち味をサポートし、夢を実現させていく教育を目指す関東学院中学校高等学校。入試直前の今、ぜひ、当校の学校ホームページもご確認いただきたい。
井口拓磨さんが作曲した依嘱作品が初演される
関東学院創立125周年記念 関東学院中学校高等学校創立90周年記念音楽会
2010年1月27日(水)18時半開演
http://www.kantogakuin.ed.jp/honkou/images/20100127.pdf
取材協力・資料提供:関東学院中学校高等学校
Copyright (c) inter-edu.com, Inc.