今年3月、開校6年を経て土浦日本大学中等教育学校では初めての卒業式が行われた。卒業生はわずか83名。にも関わらず、東京大学1名、筑波大学4名、海外の大学5名と高い進学実績を残した。
そこで今回は第一期の卒業生に取材をお願いし、当校での思い出や志望大学へ合格するまでのことについて聞いてみた。
インターエデュ(以下エデュ)まずは6年前、みなさんが中学受験した理由を教えてください。
矢尾あかりさん(以下矢尾):自宅から通いやすく海外研修があることに興味をもちました。
中根大揮くん(以下中根):新設校として自分たちで学校を作っていくことができるのが楽しみで志望しました。
川又彩美(以下川又):英語に力を入れている学校というのが受験したきっかけです。
エデュ:実際に通って、どうでしたか?
川又:学年の人数が83名と多くなかったのでとても団結感がありました。学年みんなが友達というくらい何でも話せる仲でした。
中根:イベントも学年全体でとても盛り上がりました。僕は生徒会長もやっていたので新しい学校を自分たちで作っていけたということに、充実感でいっぱいです。
矢尾:少人数だった分、先生にも質問しやすい環境がよかったです。東京大学を目指したきっかけは高1の進路相談の時に担任の先生に「東大はどうか?」と言われ、オープンキャンパスに行ったことです。それから大学の雰囲気が気に入って東大を目指しましたが、塾に行かなくても先生に丁寧なアドバイスをいただいて合格することができました。
エデュ:他に思い出に残っていることはありますか?
川又:私は海外研修でイギリスやアメリカへ行って点数や偏差値だけで評価される日本とは違う文化にすごく憧れました。それもあってアメリカの大学を志望しました。海外研修での思い出や感動したことは今でも忘れられない思い出になっています。
中根:僕も海外研修でのことは思い出深いです。イギリスに行ったときに向こうのスクール会則を見せてもらい、それをきっかけに日本に帰ってきて生徒会でも生徒会則を作りました。それ以来、法への興味が目覚めて今の法学部進学につながっています。
矢尾:土浦日本大学中等教育学校では自分でテーマを決めて書かないといけないレポートがあります。私は海外研修の時、現地で薬局を回ってみましたが、これは今でも貴重な体験となっています。大学では薬学を深めていきたいと思っています。
中根:新しい学校としていろいろと作っていく中で後輩との係わり合いや先生と協力したことも、勉強になりました。レポートを書くためにいろいろとリサーチをしたりすることも今後の人生にとても役立つと思います。日本大学への進学も付属校なので11月には進学が決定していました。だから大学入学までの時間、自分の興味あることに使うことができ、同じ新入生にも差をつけることができました。
矢尾:パソコンのパワーポイントやエクセルのスキルは東大に来た他校の子に聞いても中学高校で勉強している子はいません。将来にもとても役立つし、学校という枠にとらわれない勉強ができたことは、とてもよかったです。
川又:発表の機会も多くて英語でスピーチをする経験があったことは、英語で話をする時の自信につながりなりました。ネイティブの先生が12人と多くて生の英語に触れられる機会が多かったのもよかったです。
エデュ:中学受験時代のご両親の指導方法と、受験生へ向けてメッセージをお願いします。
矢尾:私の両親は模試の結果を細かく気にするタイプではありませんでした。だから自分で決めて自分でやらないといけないことも多かったです。でも、やりたいことはあきらめるのではなく何でもチャレンジしていくことが大切。夢をあきらめないことを学べる学校です。
川又:私の両親は私を常にサポートしてくれていました。勉強も大切だけど海外研修で出会える感動は一生もの。他校にはない、経験も心も豊かにできる海外研修プログラムは絶対におすすめです。
中根:第一期生として学校を作っていく責任感を学べました。僕の両親もいつも応援してくれていました。まだまだ新設校として自分たちで作っていくことができる学校です。そういう経験を通して将来への目標や自分のやりたいことが見つかる学校だと思います。
「少人数で団結感がある」と言う3人もクラスが一緒になったことはほとんどないそうだ。
それでも、確かにとても仲がいい。
これまでインターエデュでも土浦日本大学中等教育学校の様々な取材を行ってきた。開校6年目ということで確実な成果を出した第一期生。今後の頼もしい彼らに続く後輩たちの姿もとても楽しみだ。
【参考】
・中学生から夏の1ヶ月間、英国で自己管理力をつける学校
・校長が先人の生き様を教える学校
・常にPCを持ち歩く未来の学校
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