トライのプロ家庭教師が分析する2009年度中学入試
今年の入試統括と、2010年入試へ向けて難関中学合格までのストーリー

トライのプロ家庭教師が分析する、2009年度中学入試

2009年の中学入試は2008年同様、非常に激戦となりました。

公立中高一貫校の開設なども相次ぎ、「より環境の良い学校で学びたい」と考える受験生や父母にとって選択肢が広がっています。この傾向は2010年度も継続すると考えられます。

また、今年度は2月1日が日曜日となるサンデーショック(サンデーチャンス)となり、併願パターンが多様化したことにより、受験動向に激しい動きがありました。例年2月1日に入試を実施している女子学院が2月2日となり、1日校である桜蔭との併願が可能となったことで、成績上位層の受験生が大挙して受験する現象などがありました。この動きを受けて、2010年は、このサンデーショックの揺り戻し現象や、公立中高一貫校や人気大学の付属校の新設なども重なり、受験動向に大きな変化が予想されています。

また、ここ数年の傾向の変化として、2教科受験校が減少し、4教科受験校が増加しています。特に中堅校以上の学校においては、この現象は顕著に現れています。さらに受験日程の回数増加も傾向として挙げられます。2月1日から午前・午後も含めて3回以上の受験が可能な学校が増えています。これにより、併願パターンがさらに多様化し、受験校の選択の幅も広がっています。

私立の有名大学付属校の2010年新設校として、早稲田高等学院中学部(東京・練馬区)、中央大学付属中学校(東京・小金井市)などが挙げられます。

入試科目4教科の傾向について

主要科目である算数や国語では、単なる受験テクニックの習得だけでは解けない問題が増えてきました。

国語では物語文の出題頻度が高く、登場人物の心情変化を説明する設問が多くなってきています。他者の心情を理解するためには、自分の主観だけで考えるのではなく、相手の立場に立って考えることが求められます。他者を思いやる気持ちなど人間的な成熟が必要です。

また算数では、立体図形の断面図の面積を求める問題や情報・条件整理の出題が増えています。単純な解法のパターンだけでは解けない問題が多く、柔軟な思考力や情報の分析力が必要です。いずれも中学受験だけでなく、今後の人生においてお子さまに必要不可欠な能力が試されています。

理科や社会については、時事問題が多く出題されています。社会はこれまでも多く出題されていましたが、理科においても見受けられるようになりました。例えば、2008年にノーベル賞を取った日本人の研究内容や、日本で打ち上げられたロケットの名前を答えさせる問題がありました。常に世の中で起こっていることに関心を持ち、そのことについて自らの考えを持つことが重要です。

一問一答のような単純暗記による学習だけではなく、常にニュースなどの話題をもとにお子さまと対話を重ねることで、自然と記憶に残すような工夫が必要となるでしょう。


今後も、中学入試では家庭教師がますます必要となるのでしょうか?

家庭教師を利用して上手に中学入試を成功させるモデルは、今後も増えてくると考えています。

[1]大手進学塾に通いながら週1回から週2回程度家庭教師をご利用された方、[2]最初から家庭教師だけで週2回から3回程度、継続的に指導を行い志望中学に合格された方、[3]途中まで大手進学塾に通い受験数ヶ月前から塾を辞めて家庭教師だけで志望校の出題傾向に合わせた対策を取られた方、など今年も様々な利用方法で合格を勝ち取られた方がおられました。

近年の中学入試の出題傾向として、単なる受験テクニックだけでは対応できない問題が増えてきており、解法をインプットするだけではなく、自分の言葉で説明させたり記述させるようなトレーニングを行い、丁寧に添削指導を行う必要があります。

さらに、お子さまによって得意とする分野や苦手な分野、解答のクセ、思考のクセなども異なるため、それらを家庭教師が細かく指導することで、短期間で問題点を解決することの効果が認められています。

また、学力を向上させていく過程の中で最も障害となる「わかったつもり」になっている分野が気付かれずに放置されてしまう現象に対して、家庭教師ならではの指導法であるダイアログ(対話式の指導)により適切に解決することができるようになりました。家庭教師の利用方法は様々ですが、いずれのパターンにおいても、家庭教師ならではの指導によって合格力を身につけさせることができるのです。

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