Q1:学習机では、勉強以外のことをしますか?
条件反射の原理から、学習机では勉強以外のことをしない方がよい。
学習机を勉強だけで使っていると、机に座るなり勉強を始める雰囲気になります(条件反射の原理【生理学者パブロフ】)。
しかし、机で漫画などを読んでしまうと、机に座ってから「勉強する気になる」までに、時間がかかってしまい、習慣がつかなくなってしまうのです。
Q2:音楽をかけながら勉強をすることはありますか?
音楽をかけながらの勉強は効率を下げることが多い。
好きな歌手のCDを聴くことで気分も高揚してきます。この方が勉強する気分になるというお子さまを良く見かけます。しかしこと学習ということになると悪影響を及ぼしてしまいます。
アメリカの学者・ヘンダーソンの実験によると、ポップス系の音楽を聴きながら文章の理解をさせたところ、何も聞かなかった場合の50%程度、効率を落としてしまった例もあります。モーツァルトを聴くことでα波という学習効率を上げる脳派が出るというケースもありますが、脳に負担をかけずにリラックスする状態を生み出す『音楽』というのは、少ないようです。
Q3:学習机の配置はどのようにしていますか?
集中力を高める環境は、学習机の配置から。
窓の近くに学習机を配置している場合、窓の外のものにはどうしても気移りしてしまいがちです。もちろん、気分転換になる場合もありますが、何か気持ちが折れそうになった瞬間には、すぐに窓の外の景色に目が向いてしまうのです。これは常態化してしまい、気が散ってくるようになります。なるべく机は壁に向かうように配置し、目がいかないようにすることが大切です。
Q4:夜に勉強するときの灯りはどのようにしていますか?
夜に勉強するときは灯りの効果で能率を変えることができる。
部屋全体を明るくしている場合、楽な気持ちで本を読むことは出来ますが、気が散りやすくなります。逆に部屋は多少薄暗くし、本の上を明るく照らすことで気分も落ち着き、注意を集中できます。ただし、若干疲れやすくもなりますので、長時間、この状態では勉強はするべきではありませんが、能率は高くなるのです。
Q5:休みの日の勉強の時間帯は?
休みの日の勉強は午前中からする方が能率がよい。
その日の気分によって、突然思い立ったかのように学習をしている子もいます。人間の大脳の一日の能率を見てみると、午前7時に起床している子であれば、午前10時に一度ピークを迎え、その後、午後1時に極めて悪くなり、その後また午後3時にピークを迎えるようになっています。従って、昼食を取ったすぐ後に漢字練習をしたり、計算を指示することは非効率であるといえます。
Q6:夜は何時くらいまで勉強するようにしていますか?
勉強を深夜まですると自律神経やホルモンのバランスが崩れることがある。
深夜のほうが静かで効率的であるとして、学習をしている子がいます。しかし、夜に何かをするということ自体が不自然なため、自律神経やホルモンの調節作用が乱れることになります。その際、大脳の動きは低下し、効率は非常に悪くなります。さらに、夜更かしをするクセがついてしまうことで、深夜にならなければ寝ることが出来ない生活パターンに陥ることになります。インターネットの普及により、夢中になり夜更かしをしてしまう子が増えてきました。慣れてくることで夜更かしも常態化してきますが、この状態になると、深い睡眠を取ることが困難になります。朝、学校に行くために起きる時間帯に丁度、2回目の深い睡眠が訪れるため、その睡眠を遮って起きだしていくことが身体への悪影響を及ぼしていくのです。
Q7:1科目当たりの勉強時間は?
小学校高学年の適切な学習時間は45分前後。
アメリカの心理学者ターマンによると、疲労を生じさせない適度な時間として小学校低学年 で35分前後、小学校高学年で45分前後、中学生で55分程度、大人で90分まで、というデータが出ています。一回の学習時間がこの時間を上回らないように計画を立てると効果が高いといえます。
Q8:毎日の勉強を始める時間は?
毎日同じ時間に勉強を始めることで、自然と体が反応するようになる。
ロシアの生理学者パブロフによると、犬に対しベルを鳴らした瞬間に餌を与える行為を繰り返した結果、ベルを鳴らすだけで犬が唾液を出したという臨床結果が出たとされています。これは「条件反射」と呼ばれ、習慣化することにより身体が反射的に反応するという特徴を示しています。学習習慣をつけていくためには、ある一定のルールを設け、それを徹底していくことが大切です。そのためには、『同じ時間に、同じ場所で』学習をさせることが肝要です。「この曜日はピアノがあるから一時間遅くしよう」、これだけで条件付けは無効になります。これは、小学校低学年が最も身につきやすいといわれています。
Q9:学校で習った勉強は?
授業が終わって直後の復習が最も定着に効率的。
エビングハウスや、ギルフォードらの実験によると、人は習った直後に復習をした場合と、時間が経ってから復習した場合での記憶の定着度に差が出ることがわかっています。もちろん、理解の仕方や質にもよりますが、総じて日をまたいでしまうことで一気に定着度を落としています。学習計画の中には第一優先として、その日に習ったことを復習する時間を取るようにしましょう。また復習は自分の頭の中を整理する行為ですので、大事だったことをノートにまとめたり、授業ノートの余白部にポイントを記入したりすると良いでしょう。また、復習の質を高めるための授業中のノートの取り方にも工夫が必要です。
さらに言えば、学習したものは、学習した直後に復習したほうが、最も記憶に残ることがロビンソンによって明らかになっています。これが一日数時間経ったり、日をまたいでもその効果は大分変わってしまいます。授業が終った段階で、頭の中で簡単に整理するなどのやり方を身につけると効果が高いということです。すなわち、学校の授業で習い、その後の休み時間で簡単に頭の中でレビューを行うことで効果が出るのです。
Q10:勉強の合間の休憩時間にやることは?
勉強の合間の休憩時間は、「横になる」のが1番よい。
アメリカの学者ハズバンドによると、様々な休憩方法を試した結果、本を読むことにより、脳が疲弊してしまっていることがわかりました。気分転換のつもりで、本を読んだつもりが、全く気分転換にはならないのです。休憩する場合は、あくまで「横になる」のが一番であるということです。

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取材協力:家庭教師のトライ
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