東京大学が求める学力とは

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東大入試への第一歩 中学からの正しい学習法

中高一貫校に通う中学生の皆さんにとって、大学入試はまだまだ先のことで、今後、大学入試制度も大きく変わっていきます。しかし、制度が変わっても「大学がどのような学力を求めているのか」という部分は、今後も変わらないでしょう。
ここでは、Z会が考える大学入試に求められる学力と、中学生のうちに意識して欲しいことについて、ご説明したいと思います。

学習指導要領が変わり、近年の大学入試でも全体的に「基礎力」が求められるようになってきています。実際の入試でも、細かい知識を問う重箱の隅をつつくような難問は減ってきました。一方で、「基礎的な知識を組み合わせて内容を深められるか」、「頭の中に入っている知識をしっかりと他人にわかるように記述できるか」を問うような問題が増えてきています。カギになるのは、「思考力」と「記述力」です。以下の問題をご覧ください。


2005年度東京大学文科前期試験 世界史

第1問

(省略)第二次世界大戦中に生じた出来事が、いかなる形で1950年代までの世界のありかたに影響を与えたのかについて、17行以内(510字相当)で説明しなさい。その際に、以下の8つの語句を必ず一度は用い、その語句の部分に下線を付しなさい。なお、EECに付した( )内の語句は解答に記入しなくてもよい。

大西洋憲章 日本国憲法 台湾 金日成  東ドイツ
EEC(ヨーロッパ経済共同体) アウシュビッツ パレスチナ難民

指定されている語句は中学入試の時に覚えたようなものがほとんどで教科書に載っていないような難しい語句はありません。しかし、これら8つの語句は西洋から東洋に範囲が大きく広がっており、いざ一つの文章にまとめていこうとすると、非常に難しいことがわかります。東大はこの問題で、細かい用語の知識よりも基本的な知識を有機的に組み合わせ、関連させる力、つまり「思考力」を求めているのです。
また、「17行以内で説明しなさい」という指示にも注目してください。考えた内容を指定された文字数で自力で「書く=他人に説明する」力が求められるのです。これが「記述力・論述力」です。
また2003年東大理科前期試験では、数学で「円周率が3.05より大きいことを証明しなさい」という出題がありました。大学が入試に求める学力を知る上で、象徴的な出題だと思います。



このように東大を始めとする大学入試では、
1.抽象的な内容を関連付けて深く理解すること=思考力
2.さらにそれを第三者にわかるように説明すること=記述力
思考力・記述力が求められています。

今回の学習指導要領の改訂を受けて、入試問題でこの傾向はますます強くなっています。それは、この力が大学の求める人間像とつながるからなのです。大学では、研究する対象・事象を正しく理解することが求められます。そして、その結果を第三者に対してそれをわかりやすく伝えていく力も必要です。それが、大学入試で求められる力に反映しているのです。そしてその力は、今後、中学から高校の学習で身につけていくものです。その意味で、中学受験の結果とは関係のない、新たな学習が始まります。


後期日程の出題方針

次の項目は、東大が後期試験の改革にあたって発表した後期日程の出題方針です。
難関大学が求めている学力を端的に表しているともいえるでしょう。

総合科目1英語の読解力と記述力を見る。
総合科目2事象の解析への数学の応用力を見る。
総合科目3文化、社会、科学等に関する問題について論述させ、理解力、思考力、表現力を見る。

このような記述力・思考力は、すぐに身につくものではありません。早い時期から一題一題粘り強く解くことで思考力をつけ、記述問題に積極的に取り組むことが必要です。「量」をこなしてきた中学受験の学習スタイルを変え、「質」を重視していきましょう。学習できる問題の数が少なくても、ゆっくりと噛み締めるように理解していくことで、かえって学習効果が上がるのです。
また、やみくもに進度を進めるのも有効とは言えません。進度の速い中高一貫校の生徒さんは、先へ先へと急ぐあまり、基礎事項が定着していないことがよく見受けられます。学習した単元一つ一つを深く理解し、知識を組み合わせた総合問題までその都度取り組むことが、結果的に近道になります。

Z会の教室・東大マスターコース中学部が掲げる指導方針は、思考力・記述力重視です。
量よりも質を重視した教材を使用し、記述問題を中心に一題一題深い内容まで、講師が指導していきます。進度は無理に進めません。中学内容を2年間で終える標準的なカリキュラムで、復習を何度も行いながら学習を進めていきます。また、宿題やテストの答案は講師自らがチェックし、個別に指導していきます。

またZ会の教室・東大マスターコース中学部では、大学に受かるためだけではなく、 その先も見据えた本当の学力をつけていきます。そして、その成果として、毎年東大をはじめとする多くの難関大学に合格者を送り出しています。


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