社会が成熟する中で、保護者がいて、衣食住が満たされていることは子どもたちにとって当然の環境です。他方「かわいい子には旅をさせよ」とはよく耳にすることわざです。寮制学校が、子どもにとってよい試練の場であることは確かなようです。 保護者の庇護が当たり前の生活から、保護者のいない共同生活に移ったときに子どもたちは保護者のありがたさを知ります。掃除、洗濯など自分の身の回りのことすべてを自分の責任で行うことになり、一日のスケジュールも全体に合わせなくてはなりません。これまで家庭にいた時には時間を気にしないで暮らしていたものが、決められた時刻に間に合うように行動しなければならないのです。起床はもちろん、食事も、入浴も、就寝も定められた時間内に行います。 生活のリズムが整うと規則正しい生活が身体になじみ、机に向かった時には集中して勉強することができるようになります。初めは時間に追われるような感じがしますが、やがて限られた時間が有効に使えることに気づきます。初めの戸惑いはすぐに充実感に変わります。 共同生活の楽しさは寮の大きな特長です。少子化の中で日常生活での同世代間の関わりが薄れる昨今、同年代の多くの「家族」と暮らす生活はダイナミックです。様々な個性を身近に知り、お互いに尊重しあうこと、協力しあうことなどの大切さが、毎日の体験から得られます。共に暮らしたきずなは深い友情を育み、得がたい一生の財産となります。 親元を離れてこそ、親を初めとする自分の周りの人たちへの感謝の気持ちが自然にわいてきます。他へのいたわりや、自己への厳しさの礎ができるのは、寮生活ならではの貴重な教育です。多感な中学・高校生時代こそ寮生活をお勧めするゆえんです。 |
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