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やる気を引き出す情報教育

情報教育はハード面ではなくソフト面で選ぶ

あくまでコンピューターはツールであり、コンピューターに触れる時間が多いから、またはコンピューターの設置台数が多いから、という理由だけでは良い情報教育を行っているとは言えません。 ひとつの目安となることは確かですが、重要なことはその内容であることは間違いありません。 豊かな「学び」のために学校や教師がどのような考えを持って実践しているかがポイントとなります。

音楽を心に残すということ

作曲ソフトを利用した授業

芸術とは「美を創造・表現しようとする活動・作品」であるとすると、ただ作品に触れてその名前を覚え感想を持つだけでは芸術を学んでいるとは言えません。音楽の授業で芸術を学ぶこととは、楽器を演奏することや作曲を通して曲ができあがる過程を生徒が体験することです。合唱や合奏は多くの学校で取り入れていることですが、共立女子第二ではさらに踏み込んで授業で作曲を行っています。 作曲を生徒にさせることは音楽の知識や技術を身に付けるということよりも、芸術として音楽作品に触れることを生徒たちに求めているからです。芸術として音楽に触れることの意味を、こうした教育を実践している小弥先生にお伺いしました。

作品や作曲者の名前を覚えることが教養だと思います。 学校で教える音楽は、こうした教養的な内容のことが中心になりがちですが、音楽は芸術です。 覚えることよりもそれを生み出すことや、そこから何を感じるかということが大切です。 どうして音が出るのか、どんな音があるのかということを自らが体験することで、より深く音楽に触れることができます。

音楽はほかの芸術作品と異なり、目に見える形ある作品があるものではありません。 音楽の場合、常に消えてしまい、心にだけ残ります。 だから心を閉ざしてしまうと音楽が残らないのです。 音楽に触れるとき、最初から嫌いだと拒絶してしまうのではなく、嫌いなりに触れて、何かを感じて欲しいのです。

読書、スポーツなどに熱中することで、精神的に追い詰められたときに気持ちを楽にすることができます。 しかし最近は、そういうことを知らない子どもが多くなっています。 そのため、追い詰められたときに余裕を作り出せないのです。 私は音楽の教師ですので、ゆとりや救いというものは音楽を通して得られるということを教えています。 音楽という手段を使えば心に余裕を持つことができるのです。

生徒が創り出す音楽

伴奏や作曲を行うには音楽的な基礎が十分になければできませんが、コンピューターを利用した作曲ソフトを利用することで、音楽的な素養がなくても自分がイメージする音を出すことができるようになります。 生徒が簡単にイメージを具体化する道具として、作曲ソフトを導入しています。

3年間の中で、ひとつの作品に対してどう捉えていくのかを学んでいきます。 高校一年では既存のメロディにコードを用いて自由な伴奏をつけます。 二年でさらに進んで作曲を行います。 そしてコンピューターを用いた創作の経験を生かして、既成の音楽がどのように作られているのか掘り下げます。 具体的には作曲者がどのような意図で曲を作り上げてきたのかを考える授業を行います。


音楽科 小弥 芳紀先生

ホームページを利用したオリジナル教材

共立女子第二の学校HPにアクセスすると現代社会ホームページ教材「やさしい現代社会講座」というリンクがあります。 非常に興味深いその中身は、リンク先はパスワードがかかっているので普段見ることはできません。今回、特別にその中身を紹介します。

オリジナル教材が生徒を夢中にさせる

本校の現代社会の授業は教科書の内容からさらに発展させ、時事問題を多く取り入れた授業を行っています。 そのため教科書や地図帳はどちらかといえば資料集の代わりに使っています。 時事問題を扱う場合、写真やグラフなど多くの資料を見せることで関心を与えることができます。 コンピュータールームで授業を行い、ホームページにアクセスし利用することで多くの資料を見せています。

教材の制作を始めて5年経ち、かなり充実した内容になってきています。 ホームページ教材の良い点は、随時情報を更新できる点です。 すでに掲載されている情報の内容が古くならないよう、常に更新することを心がけています。 また、現在は文章と画像のみですが今後は動画も見られるようにしていきたいと思っています。



受身にさせない授業方法

授業中に資料代わりにホームページを利用する他に、生徒が受身にならない授業を心がけていて、授業で解説する前にプリントを配布して、生徒にホームページを使って調べさせることもあります。
自分で調べてから授業にのぞめるので、予習になります。 授業中の解説も余裕を持って聞くことができるので、生徒たちの理解度も高いです。

教科書に比べるとオリジナル教材は、内容の変更や追加ができ、常に新しいデータ・最新ニュースを取り入れるようにしています。
生徒たちはニュースで見る内容を授業で勉強することで、時事問題に関心をもつようになっています。


現代社会 松原先生

共立女子第二のコンピューター教育を可能にする家庭科

多くの授業でコンピューターを利用している共立女子第二。 取材をして最も驚いたことは生徒さんたちが本当にコンピューターを使いこなしているということです。 さらにコンピューターを多く使った授業が当たり前のものだと思っていました。 それほどに自然に、当然のことと思っているのは家庭科の取り組みがあるからです。 電源の付け方から文章入力までを担当して情報教育の基礎を担っている家庭科の湊先生にお伺いしました。

コンピューターを利用した授業。全ての始まりはここから。

中学1年次に技術・家庭の授業でコンピューターの扱い方について勉強します。 電源の入れ方、インターネットの使い方、ワードの使い方などを学びます。 さらに本校独自の取り組みとして、中学3年次は暑中お見舞いのはがきの作成。経済についての学習時にコンピューターを使って授業を行います。

本校では多くの教科でコンピューターを利用した授業があります。 他の学習とは異なり、本校入学前にコンピューターに触れる機会の多かった生徒と、初めて触れる生徒のスキルの差が大きいという問題があります。 普通の教科ではこれほどの差は見られません。 この差が、コンピューターを利用した授業を行うことを難しくしていますが、本校では楽しく覚えられるように工夫することで、全ての生徒がコンピューターを道具として扱えるようになります。


楽しみながら覚えるコンピューターの使い方

好きなアーティストの歌詞を入力
どんなことでもそうですが、楽しいと思うことは一生懸命になれます。 例えば、小さいとき大好きなおもちゃに夢中になることのように。 勉強も楽しまなければいけないですし、コンピューターの扱い方を覚えるのも同じです。
私の授業では文字入力に慣れるために、自分の好きなアーティストの曲の歌詞を入力する練習をします。 好きなアーティストのことなので、生徒たちは自ら進んで歌詞を入力します。 これがもし、難しい文章の入力をさせようとしたら、入力の苦手な生徒は嫌になってしまうでしょう。 生徒たちは楽しみながらタイピングの力を付けています。
ヘルシープランナー21を利用した食べたいものを作る実習
ヘルシープランナーとはコンピューターを利用して栄養バランスシートを作成できるソフトです。 それまでは生徒たちに手計算させていたのですが、導入後の授業の方が生徒たちは興味を示します。 実習で自分たちが作った料理の栄養バランスを計算することで、現代の食生活の問題点やそれを取り巻く問題について考える授業をしました。
さらに、今後は卒業文集も生徒達がWORDを使って入力することや、WORDを使ってレシピを作るということも検討しています。
家庭科 湊先生


取材協力・資料提供 共立女子第二中学校・高等学校
共立女子第二中学校・高等学校のホームページはこちら
掲載期間:2005/10/11〜12/11