教科担当インタビュー第4弾・理科

教科担当インタビュー・4「理科は自然現象を解明していく学問。体験を通して深く学び、面白さを知ってほしい!」

八王子学園八王子中学校・高等学校実際の授業の様子について、各教科担当の先生方にお話をうかがっていく本シリーズ。4回目は、理科を担当されている山根先生にお話をうかがっていく。
「用語の中身を理解してほしい」と語るその姿に、生徒たちへの想いが感じられるインタビューとなった。
授業取材時とは、また違った理科の側面と取り組みをご紹介しよう。

暗記ではなく、用語の意味を理解することが大切
自分の目で見る驚き・感動が理科への興味に結びつく!

理科担当インタビュー

先取り学習で早期に基礎を固め、難関大学受験に対応できる学力養成することを掲げる八王子学園だが、理科に関しては、無理に先取り学習を進めるよりも、中学校の内容をきちんと身につけて高校に進んでいく方が、後々、力が伸びると考えて授業を進めているという。「受験勉強などでも、理科はよく暗記科目などと言われて、だだ言葉を覚えていて答案に書けばいいというスタイルの子もいると思いますが、用語の中身がどんなものなのか一つひとつ理解してほしいと思います」と山根先生は話される。

実験や観察を多く設ける意味とは…

理科は自然現象を解明していく学問。実際に、見たり触ったりという体験がすごく大事だと考え、実験や観察の機会をできるだけ多くしているという。化学では、ガスバーナーなどを使う実験が多く、あまり台数が多いと危険もあることから、班での実験が多いが、生物では1人1台の顕微鏡を使った観察などを行っている。実験・観察の中で、生徒たちからは「本で見たことはあるけれど、実際に見るとこうなんだ!」という驚きの声が多く聞かれるという。
先の金環日食でも、学校のグラウンドで観察会を行った。「ちょうど雲の切れ間からきれいに見えて、生徒たちも興奮して見ていましたので、そういう経験は身になるんではないかと思っています」と先生は話される。

理科担当インタビュー

「本当にできるんだ!」を喚起する授業

また、夏休みの集中授業では、普段とは違い2時間続きの授業ができるので、長時間かかる実験を2回(ミョウバンの結晶作り、アルコール水溶液の蒸留)行った。ミョウバンの結晶作りについて先生は「写真で見るのと実際自分で作るのとは全然違いますから、本当にこんな大きいのができるんだ、と驚きの声があがっていましたね」と生徒の様子を話され、「長い大変な実験ではあるのですが、その分生徒に残るものも大きかったのかな」と感想を述べられた。
実験・観察・体験を重視し、生徒たちの興味や関心を喚起する理科の授業の姿勢がはっきり表れている。

中学では、広く学んで自分の興味を見つけてほしい!
実験は、深く考え、知識を身につけるために有効な手段に

理科担当インタビュー

指示待ちでない積極性も
着実な成長が見える1期生たち

入学当初に比べて、生徒たちの様子も変化してきた。「実験のたび、毎回レポートの代わりにプリントを提出させるのですが、その状況や書いてくる内容が回を追うごとに良くなっています。実験でも、作業の仕方や班での協力の様子がどんどん良くなっていますね」と山根先生は生徒たちの成長を話される。最初は緊張もあり、小学生から上がったばかりで縮こまっていた生徒たちも、学校も慣れて、徐々に中学生として扱われるようになって、いろいろなことを指示待ちでなくできるようになってきたのを感じているという。

中学生の理科の学習への姿勢について先生は、「高校生は大学受験が身近になり、進みたい学部などがかなり具体的に見えてきて、理科でもこの科目をより熱心に勉強しようなどということが、大学の選び方につながってきますが、中学生のうちは制限するのではなくて、全般的に広く勉強して、その中から、『これは面白いな』と興味を持てるものをひとつでも見つけることのできる時間になればいいと思います」と話される。「まずは、理科という科目の面白さを伝えていきたい!」と。
そのひとつの手段が、実際にものに触れていく実験であり、実験を踏まえていろいろ考えていくことだ。「実験では本の通りになることもあるし、そううまくいかないこともある。うまくいかなかったときに、どうしてなのかと考えることで理解が深まります」と先生は実験の意義を語られる。

学年が上がるにつれて苦手意識を持つ生徒が多くなりがちな理科だが、山根先生が話してくださった “興味を持ってもらう、面白さを知ってもらう、体験してもらう”というところが、理科嫌いをなくしていくカギでもあるようだ。

小学生とその保護者の方々へのメッセージ
基本をしっかり身につけることが合格につながる!

ぜひ来てほしいと自信あり。

普通の勉強をすることが第一歩
基本的なことを知っていることがすごく大事

最後に、中学校受験に臨む生徒とその保護者の方にメッセージをいただいた。
「八王子学園は、みんな明るく楽しく元気にやっていますので、まずは見学会や説明会に来ていただき、生の姿を見て、八王子学園の良さを知ってほしいと思います」と学校の魅力を話された。
また、中学校受験の勉強の仕方に関しては、「難しいことをやるとか特殊な対策をするとかではなく、基本的なことが身についていることがすごく大事です。中学、高校、大学とつながっていくことですが、学校の先生、塾の先生が行ってくださる授業をしっかり聞いて身につけること、普通の勉強をすることが第一歩だと思います。そこで手を抜かないことが、合格につながると思います」とアドバイスをいただいた。

理科という教科の本質をとらえ、生徒たちにその楽しさを知ってもらおうという姿勢に共感した。知識を詰め込み、暗記すれば良いという考えから離れ、じっくり実験や観察に取り組む生徒たちの生き生きとした姿が目に浮かぶようだ。ここから未来の科学者が育っていくかも知れない、そんな可能性を感じる取材となった。

八王子学園八王子中学校・高等学校の説明会日程

説明会名 日時 詳細 定員 予約
入試問題ガイダンス&説明会 1月 12日(土) 10:00~11:30 入試問題の出題傾向について、各教科の出題者よりご説明します。教育方針・入試要項の説明と個別質問コーナーあり。 各100組 ご予約はこちら
入試模擬問題体験&説明会 12月 16日(日) 10:00~11:30
12月 16日(日) 13:00~14:30
入試模擬問題を体験していただけます。出題担当者より解法などの説明あり。
保護者の方には、教育方針・入試要項の説明と出願や入試当日の注意をご説明します。個別質問コーナーなどあり。
各100組