桜丘中学・高等学校掲載日:2013年10月22日

iPad®を活用したこだわりの授業大公開!

話題にはなっているものの、まだ実例の少ない「教育へのICT活用」
今年度、ついに桜丘中学・高等学校はiPad®の活用をスタートしました。その実態を確認すべく、さっそく授業を見学。その後、導入の発案者である品田副校長先生に詳しくお話を聞きました。そこには、どんなこだわりが秘められているのでしょうか。

iPad®でUP!集中力と授業効率~倫理と英語の授業をレポートします~

今年度より、教職員全員に導入されているというiPad®
各教科でどのように活用されているのか、倫理と英語の授業に潜入! 教室の扉を開けると、そこには…

倫理編

倫理の授業

生徒全員が顔を上げている

この日はイスラム教の授業。
まず驚いたことは、下を向いている生徒がいないことです。黒板を書き写すことがないため、生徒全員が、iPad®からプロジェクターを通じてホワイトボードに映し出された表や写真に集中。先生の解説を聴きながら、まるで映画を観るかのように、次々と出てくる世界地図や民族衣装の写真、3択クイズ…教科書には載らないような最新の情報や面白い情報に魅了され、楽しい雰囲気でした。

iPhone®がリモコンに!?

一方、先生の手元を見ると、そこにはiPhone®が握られていました。授業後に確認した情報によると、リモコン機能を利用してiPad®を操作しているのだとか。途中で教卓に戻ったり、黒板に文字を書いたりすることなく、指一本で新しい表や写真、文字を更新していました。そのため、先生のお話は途切れることなく、生徒のほうを向きながら解説できるのです。先生が生徒を見ていると、生徒も先生を見るもの。お互いに集中力が続くのでしょう。

先生のiPad®/プロジェクターにつなげてホワイトボードへ/手元のiPhone®でスライド切り替え!

英語編

英語の授業

「iPad®×ホワイトボード」の技

ホワイトボードに一瞬で映し出される英語の長文。iPad®からプロジェクターを通じて大きく目の前に現れました。そこに、先生が手にした赤マーカーで、下線が引かれたり、補足が書き込まれたりし、読解の授業が展開されます。再度、長文のみの状態に戻すときは、白板消しで赤マーカーを消すだけ。大事な部分を残しながら、情報を追加したり強調したりできるこの技は、「iPad®×ホワイトボード」のコラボレーションならではの産物と言えそうです。

情報が何度でも生き返る

黒板のみの授業の場合、せっかく書いた長文も消さなくてはなりません。別日に同じ題材を使う際も再度書かなくてはならず、生徒の「待ち時間」ができてしまいます。もしくは、生徒それぞれが手元のテキストで、ページを手繰って確認する「探し時間」ができてしまいます。
iPad®を利用すれば、過去の長文も一瞬で映し出すことができ、授業を中断することがありません。決して急ぎ足には見えないのに、どんどん先取りして授業が進められる理由は、ここにあるのでしょう。

英文を表示した画面/投影された文章の上へ直接板書/待ち時間がなく授業が進む!

他にも活用シーンはこんなに!

活用シーン

部活動では試合映像やフォーメーション、ダンスフォームの確認など、多様な場面で大活躍!
生徒も積極的に使用しています。

「iPad®は教具や文房具の一つ」~品田副校長先生に伺いました~

来年度からは、先生だけでなく新入生も全員にiPad®が導入されることが決まりました。
今後どのような展望があるのか、品田副校長先生に伺うと、意外なこだわりが…

品田副校長先生

導入にあたってのこだわり

品田先生:わたしたちは、iPad®を特別なものとして認識していません。先生にとっては教具の一つ、生徒にとっては文房具の一つ。数学で使う三角定規と一緒です。全員が持っているからと言って、毎日使用するわけではなく、使うことでプラスになる場面でのみ生かされるべきだと考えています。
ただ、先生と生徒で同時に導入することは避けました。前年度に教職員でシミュレーションができれば、生徒たちに導入した際にできることの幅が広がります。教職員への配り方にもこだわりがあって、パッケージのまま渡し、ご自身で開封から設定まで体験できるようにしました。そうしたことが、教職員のiPad®に対する抵抗感をなくし、前向きな活用につながったのです。

危険は避けずに、教えるもの

品田先生:保護者のみなさまの中には、子どもにiPad®を持たせることについて、危険性を懸念し不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。ただし、iPad®などの電子端末は将来社会で確実に必要となることが予想されるアイテムです。正しい使い方を覚えるには、危険を避けるのではなく、学校という失敗が許される場でトレーニングすることが必要だと考えています。例えば、昔は鉛筆を削るのに使用していたカッターナイフを、危険という理由で使わなくなりましたが、その結果、正しく使える若者が少ないという現状があるのです。わたしたちは、将来必要なものを正しく使える教育を行います。

iPad®なら映像だってすぐに使える

2014年度から新入生全員に導入

品田先生:新入生全員にiPad®を導入する来年度においても、あくまでもアイテムの一つとして利用する考え方は変わりません。授業の中で、生徒みんなが必要に応じて使っている状況が理想です。例えば、授業で疑問に思ったことや関心を持った事柄についてすぐに調べることも出来ますし、集めた情報を元に自分の考えをまとめてプレゼンテーションするるためのツールにもなります。
実技系の授業や運動部の活動では模範演技をどこでも何度でも確認できますし、自分の演技などを画像や動画で撮影し、振り返ることにも使えます。教材や授業の動画を配布したり、学習の記録を残したり、仮想会議室を使ってディスカッションできるシステムの導入も予定しています。

編集者から見たポイント

日本の教育現場へのICT活用が今ひとつ浸透していない理由の一つは、「教える側」つまり先生方の意識だと言われています。今回、桜丘中学・高等学校の授業やインタビューを通して感じたのは、先生方ご自身がiPad®の便利さを実感されていて、活用を楽しんでいるという雰囲気。そういう環境で学んだ生徒たちは、将来抵抗なく最新機器を使いこなせるのではないでしょうか。そんな明るい展望を感じさせてくれる学校の雰囲気を、ぜひ多くの方に感じてほしいと思いました。

入試説明会等日程

【中学校】
日程 時間 説明会内容
10月27日() 9:00~12:00 入試対策会
11月17日() 10:00~12:00 中学スタッフによる学校紹介・給食試食Ⅱ
12月14日() 14:00~16:00 在校生・保護者が語る桜丘
【高等学校】
日程 時間 説明会内容
10月26日() 14:00~15:30 第5回説明会
11月9日() 14:00~15:30 第6回説明会
11月16日() 14:00~15:30 第7回説明会

※iPadおよびiPhoneは、Apple Inc.の商標です。