鎌倉女子大学 中等部掲載日:2013年9月17日

女子の国語力を伸ばす 鎌倉女子大学 中等部の図書室授業

変わった授業で国語力を伸ばしている女子校があると耳にしてから、一度その授業にお邪魔したいと思っていました。それは「鎌倉女子大学 中等部」で行われている図書室を使った授業。キレイで広々とした図書室のなかで先生にうかがったお話と生徒たちの声を紹介します。

知る楽しみを学ぶには「読書」

インタビューさせていただいた国語担当鵜城 仁 先生

鵜城先生:図書室を利用した授業をおこなっているのは、生徒たちに「未来をひらく誠実で聡明な女性」に育って欲しいという願いがあるからです。
そのための最初のステップとして、「知る」ということに対しての喜びを味わってもらう必要があります。そのためには読書がうってつけなのです。
「知る」ことを楽しめるようになれば、自ずと読書習慣がつき、情報を吸収して自分の考えを発展させられるようになると私たちは考えています。

図書室での授業のようす

図書室を使った授業は本校の特進クラスで週に1時間を設定しており、そのなかで読書活動をベースとした授業を展開しています。本は生徒一人ひとりが自分で選び、教員側から指定することはほとんどありません。
中学1年生には、まず自分が興味のあるジャンルを読ませることや、専門家によるホンモノの「語り聞かせ」に参加させることで、楽しんで読書に親しませるように、中学2年生には、さらに内容の濃い本を読むように指導しています。
そうして数多くの書物に慣れ親しんだ集大成として中学3年生では卒業論文を作成するという流れです。

「読む・考える・書く」で驚くほど成長

生徒たちが書いた「読書郵便」・私たちも実際に書きました

鵜城先生:特進コース中学3年で行う卒業論文以外に、1・2年では自分で文章を書き、表現させることを訓練しています。その学年の担当教員によって取り組む内容は変わるのですが、たとえば中学1年で行った「読書郵便」では、自分が読んだお気に入りの一冊を他の誰かにすすめるという主旨で推薦文を執筆、中学2年では「私の一冊」として年間で最も感動した本を紹介する感想文を書き、校内で発表しました。
そこで私たち教員は非常に驚かされたのですが、中学1年のときの「読書郵便」と比較すると、中学2年のときの「私の一冊」で見違えるほどの成長がうかがえたのです。

中学1年時に書いた文章は、読んで感じたことや、内容のあらすじをそのまま書いたものも多かったのですが、中学2年になると皆、自分の意見をしっかり入れられていました。もちろん文章力も格段に伸びており、なかには教員でさえその文章に心を動かされ、「この本を読んでみたい!」と思わせられたものもありました。
「読む」を積み重ねることで自然と「考える」が身に付き、それを「書く」ことで表現させる。このサイクルでこんなにも大きく成長することができるのだと感動した瞬間でした。

本を読んでいる人が書いた文章は面白い

真剣に卒業論文を執筆中!・参考文献を探す生徒たち

鵜城先生:中学3年にもなると読解力や文章力はかなりのものですが、特進コース3年間の締め括りの卒業論文では「テーマ設定」「事前調査・情報収集」「アウトライン作成」「文章執筆」としっかりと道筋を立て、8,000文字の文章を組み立てていきますので、そこでまたひとまわり成長することができます。
最後に完成した論文を読むと本当によくできているなと感心します。間違いない事実として、本を読んでいる人が書いた文章は面白いのです。

また、当然と言えば当然なのですが、しっかりした文章が書けるようになると、自然と国語ができるようになっていて、模擬試験などでもやはり国語の点数が高くなります。
もし高校段階で小論文を書くようなことがあれば、間違いなく本校の生徒は群を抜いた成長が期待できると思っています。

生徒から一言!

気づいたら漢字が得意になっていました

私は3年生なので卒業論文を作っており、今は書くための材料を集めています。卒業論文は自分の好きなテーマを選べるので、自分の興味のある分野をさらに深めることができ、とても楽しいです。 それから、これは1年生からずっと読書授業に触れてきたからだと思うのですが、とにかく漢字が得意になりました。一生懸命覚えようとしなくても「自然と身についていく」ので、気づいたら苦労なく知識のベースができあがっている感じがしています。とにかく読書が大好きになりました。

みんな、読書習慣が身につくんです

私はもともと本を読むのが好きで、この授業はとても楽しみにしています。自分の興味以外で、たとえば先生からすすめられた本でも、一度読んでみると面白いことが多く、そこから新たな興味の幅が広がるんです。この図書室やこの授業がなかったら知らなかったかもしれないことも今ではしっかりと知識になっています。 また、入学時はあまり本を読まなかったという友人も、授業というかたちで活字に触れる機会が与えられ、それがいつの間にか読書習慣となって定着している、そんな子も多いんですよ。

編集者から見たポイント

「未来をひらく誠実で聡明な女性を育てたい」という想いがしっかりと体現された取り組み。女の子をお持ちのお母さまはぜひ一度、学校を訪れてみてください。本当にワクワクしますよ♪

説明会スケジュール

イベント名 日程 時間 概要
学校説明会 10月12日() 【中等部】10:30~12:00
【高等部】13:30~15:00
予約不要
11月23日() 【中等部】10:30~12:00
【高等部】13:30~15:00
12月7日() 【中等部】10:30~12:00
【高等部】13:30~15:00
オープンスクール 11月10日() 【中等部】10:30~12:00
【高等部】13:30~15:00
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