英語の授業の特色を教えてください。
基礎段階できちんとした「発音・発声」を身につけさせ、そこから総合的な英語力に発展させていくことを目的としています。自分の場合、オープンリールのテープから流れるネイティブの発音と、日本人の英語の先生の口から出ている音が全く異なって聞こえました。まだ、CDどころか、カセットデッキすらなかった時代の話です。どうやったら、ネイティブの先生の英音が出るのかをその日本人の先生は教えてくれなかった。この経験から、「まともな」英音の作り方を教えたいと考えているのです。
たとえば、「banana」を発音する時、それは決して「バナナ」ではない。破裂音のBをどのように作るか、N音では唇を横に広げる時に、どの部分に力を入れるかがわからないと、「まともな」音出しはできません。一つひとつの音出しに時間をかけて丁寧に教えることから始めなければならないと思います。
最初にしっかりと正しい音の出し方を教えるということですね。では、その正しい発音を教えるにあたって、どのような工夫をされているのですか。
顔の筋肉のどこを動かすか、息をどの程度はくのかなど、身体で覚えてもらうために繰り返し訓練します。徹底的に自分の身体で覚えることが必要です。口パクではいけません。
口の動きは、歯や唇の模型を使って説明します。例えば、Lの音を出す時「先生の口を見て」と言っても、実際、生徒は先生の口の中まで見ることはできないのです。
口や舌の大型模型を使いながら「上の前歯の裏側に舌を強く押し付けて」と説明しながら訓練をする。日本語ではこういう舌の動きがない。そのように舌を使っていないので思うように動かない。汗だくになって、まるでリハビリ訓練さながらとなります。
日本人の唇はあまりに弱くて、M音の唇をしっかり閉じるという動きが出来ないのです。これまでそういう唇の動きをしてこなかったし、教えられてもいない。筋肉を鍛えることも同時に行わなければなりません。
その他に、『The JINGLES』という発音筋肉トレーニングも行っています。『The JINGLES』はビジネスマン、英語教師、通訳といった、英語を職業としている人がさらに自分の英語を磨くための発音・発声訓練機関です。あえて、日本人には発音しづらい単語が出てきます。その音を、この間まで小学生だった生徒たちが音にしていきます。テキストには舌を6ミリ出すとか、3ミリ出してといった細かい指示がありますが、読んだだけでは理解できません。何度もやっているうちに自然に感覚的に身につけていきます。理論ではなく、あくまで実践なのです。
英語の音を出せることが、英語を理解することにつながるんですね。授業の中で、他に工夫されていることは、どのようなことでしょうか。
はい。自分で出すことのできる音は認識できるからです。工夫としては、「教科書“を”教える」のではなく、「教科書“で”教える」ことを意識し、生徒たちの頭に定着させやすい形で文法事項の説明をしています。普通は、平叙文を疑問文にする時、主語と動詞をたすきがけにした形で説明しますが、本校では「AはBする」「AはBである」という不変の部分を早い段階で理解してもらいます。難解な文法用語は使わずに、「この並び方を見て」と言うと、生徒はすぐに理解できます。(※右図参照)
オックスフォード大学出版の「Oxford Reading Tree」という絵本も活用しています。いちいち日本語に訳さなくてもある程度意味がわかるやさしいレベルの絵本です。
日本の英語教育では、英文を「これは主語・述語・補語で第2文型です。」と、先生が構造説明をして、文法解説をして、日本語に訳させます。Oxford Reading Tree(ORT)では、絵を見て生徒が考えることができる教材なのです。英語は暗記だけで成り立っているものではないのです。ORTを活用すると、生徒の頭にある「考える」回路のスイッチが入る。英語=暗記という迷信は捨て去ったほうが良いですね。
しかし、あくまで、母語である日本語が土台になることを忘れてはなりません。日本語の土台を造らないといけません。この土台に英語がのっていくのですから、この作業も同時進行的におこなわなくてはならない。
日本語の土台を育てるために、どのようなことをされていますか。
日本語でのアウトプット。本や活字になったものを読もうと考えがちですが、読むだけではインプットに過ぎない。そこで自分が感じたことを書くとか、考えていることをまとめて発表するといったアウトプットがないと日本語力は伸びないのです。
ですから、いろいろな課題を出してまとめさせる。
本校のアクティブ・グループ・ラーニング(AGL)で行っている、iPadを活用して、情報をまとめたものを発表する。楽しみながら刺激し合って、すごく凝ったものを作りあげる。こうしたアウトプットが大事です。漫然と本を読んだり、国語の授業を受けているだけでは、これからの社会で要求される日本語力はアップしません。
大学入学のためだけではなく、その先、社会人になった時に使える英語を身につけることができるように、特に発音を重視した英語教育をしているということですね。
そうですね。ただ『社会に出てから使える英語』というと、我々日本人の頭では、『英会話』になってしまいがちです。実際には、話せるだけではなく読むこともできなければなりません。書かれたものをきちんと読めない人が、まともなコミュニケーションができるかといったら、そうではないでしょう。だから最終的には、『きちんと英文を読む力をつける』ことを目指しています。
英語でのメールのやり取りや、海外で英語を使って仕事をしなければならないという企業で働く方もおられ、「いくつになっても、英語に追いかけられる!」と嘆かれていると耳にします。今からきちんと訓練をしていれば、英会話学校に通う必要もありません。良い日本語を話せる日本人、まともな英音でコミュニケーションができる人になってほしいと願っています。
英語力を活かすための学校での取り組み、行事等はありますか。
2年生でアメリカンサマーキャンプ(現地と打ち合わせ中)を予定していますので、1年生の段階では『The JINGLES』など基礎的な音だしの訓練を終えてほしいのです。また、3年生では、オーストラリア・シドニーへの海外語学研修(修学旅行)が決定しています。(平成26年2月13日~26日)
学問や職業への興味を育てるための『西武台アカデミア』という講座を設けています。既に、東大の大学院生、テレビ朝日のカメラマンからお話しを伺ったり、本校体育館を舞台にしてダンスシアターの公演を実施しました。次は日本人で英語を使って活躍されている方をお招きすることを考えています。それも、英語への関心を高めるひとつの機会になると思っています。
西武台新座では、中高一貫教育のコンセプトである「グローバル社会で活躍できるたくましい人間力の育成」のために、既成概念にとらわれない新しい教育プログラムを構築し、教師を選抜、環境や設備も整えている。
偏差値70以上の大学に現役合格できる学力を育成するためのカリキュラムを組み、希望進路の実現に向けて細やかにサポートする。
高校でも3年前から特進選抜コースをスタートさせ、レベルの高い授業の実施、進学補講などの充実を図り、今年3月の卒業生は、GMARCH校の合格で昨年度実績を倍増。中高一貫教育の生徒たちの受験期に向けて、さらにこうしたプログラムに磨きをかけるとともに、難関大学合格の鍵を握る英語教育には最も力を入れている。
日本の中学校教育として初めてのメソッドを取り入れた発音重視から入る学習で、大学合格のみならず、将来のコミュニケーションツールとなる実践的な英語力を着実に養成していく。
新校舎には、最新のICT環境を備えたスタジオ型教室「西武台アクティブ ラーニングラボ(SACLA)」を設置している。
1人1台のiPad、様々な学習スタイルに柔軟に対応できる机、複数の大型スクリーンとプロジェクターなどを完備。グループ学習やディスカッション、プレゼンテーションなどアクティブ(主体的、能動的)な学習を中心に展開し、学ぶ意欲や課題解決能力・創造性・自立性・共生力を高めていく。
日程 | 第1回 特進クラス入試 |
第1回 特進選抜クラス入試 |
(※)第2回 特進クラス入試 |
第2回 特進選抜クラス入試 |
第3回 特進選抜クラス入試 |
第3回 特進クラス入試 |
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1/10(木) 午前 |
1/10(木) 午後 |
1/11(金) 午前 |
1/12(土) 午後 |
1/17(木) 午前 |
1/26(土) 午前 |
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募集人数 | 25名 | 20名 | 10名 | 10名 | 10名 | 5名 |
※第2回特進クラス入試(所沢会場)の試験時間が変更となっております。詳細は西武台新座中学校HPをご覧ください。