自分たちで変えていく…達成感があった実行委員長の仕事

文化祭実行委員長(高2)にお話をうかがった。

実行委員長は、この文化祭への想いを元気に話してくれた。そもそも実行委員長という役目を受けることになったきっかけは、去年の文化祭だったという。

「高1の時の文化祭が自分が考えていたものと少し違うと感じて、それだったら自分たちで変えていけばいいじゃないか、と思いました」と言う実行委員長はそれから同じ意見の生徒たちと話し合いを続けていったという。やがてその話し合いは先生も交えたものになっていった。「その話し合いの流れで、いっそのこと自分が実行委員長になれば話が早いのでは、と気づいたのです」そう話す実行委員長に、今回大変だったことについて尋ねると「文化祭を変えたいと言った時に、その理由だけでなく、変えた後にどういう事が起こるのか、それに対してどういう備えが必要なのかというところまで考えなければならないのがとても難しかった」と話してくれた。「でも、反対にいいこともたくさんありました。特にうれしかったのは、私たちが提案して今回から採用されたクラスTシャツが届いた時。デザインもみんなで考えたので、はじめてみんなで着てみた時は最高でした」このTシャツは、この一年の苦労と達成感の象徴として、実行委員長の良い思い出になったようだ。

最後に文化祭の見どころを教えてもらった。「これも私たちの提案で、大きなステージを校庭の中央に作ってもらえました。いろいろな部活の方が一所懸命練習した成果をよく見てもらえるはずなので、 それがいちばんの見どころだと思います」そう話してくれた実行委員長。実行委員長たちの頑張りは次につながる大きな成果をあげていたと思った。

文化祭実行委員長・大きなステージでのパフォーマンス

城西大学附属 城西中学・高等学校のホームページはこちら

それぞれの想いを、それぞれのカタチで

各部・各クラスが多彩な企画を発表

高校生の各クラスによる縁日や映画上映、ゲームなどと各部による企画・展示が行われている本館で、はじめにうかがったのが国際交流(短期留学)のコーナー。同校では毎年アメリカとオーストラリアにある姉妹校への短期留学を実施しており、ここでは参加した中3〜高2までの生徒たちによる体験記や留学先の国で感じた日本との違いなどについて展示されていた。壁一面に貼られた記念写真の数々から、短い期間とはいえ日本を離れて暮らした生徒たちの興奮が伝わってくるようだった。

このような国際交流に力を入れているのも同校の特色のひとつ。今回の文化祭でも、そのことを感じさせる企画・展示を多く目にした。国際交流カフェでは、城西国際大学の中国人留学生による中国茶のパフォーマンスが披露されていた。取材に訪れた日の翌日には、韓国やブラジル、フランスなど11カ国の留学生との文化交流会が予定されているとのことだった。

また、家庭科部は「World Kitchen」と題して一年間の活動で部員たちが作ってきた世界各国の料理を展示。スコーンやカステラ、ソーセージなど、各国を代表するお菓子や料理にはそれぞれレシピも添えられていた。国際関係が何かと話題になる昨今、このような取り組みを通じて各国の人たちと直に触れ合い、その文化を学ぶことは、生徒たちのような日本の新しい世代が建設的な未来志向の国際感覚を養う上でもたいへん意義深い事だと思った。

国際交流展示コーナー・中国茶のパフォーマンス・家庭科部“World Kitchen”

鉄研
姉妹校である城西川越中高鉄道研究会と同校物理部模型班の合同企画では、川越校「鉄研」の伝統だというジオラマ展示のスケールに驚かされた。教室一面に広がるジオラマ上を走り抜けるNゲージを来場者に運転させてくれるというサービスも楽しい。会員撮影による電車のフォトコンテストも行われている展示場内には、同校の物理部制作による全国高等学校鉄道模型コンテスト出展作も展示され、存在感を放っていた。
物理部
その物理部は、物理実験室で「物理の箱」と題した展示を独自に企画。部員に鉄道ファンが多いとのことで、ここでも先ほどの物よりはやや小ぶりとはいえ立派なサイズのジオラマを展示していた。他にも、先日の金冠日食に関する考察や自転車による発電機、テレビの「ピタゴラスイッチ」を模した大掛かりな装置など、物理部ならではの研究心と遊び心あふれる展示が並ぶ。物理に興味があるなしに関係なく、身近な機械や現象の仕組みを楽しみながら理解できる工夫がよくされていると感じた。
弦楽部
音楽室では、弦楽部によるアンサンブルがはじまるところだった。中学生と高校生の部員が合同で「ムーンリバー」などのポピュラーミュージックを数曲演奏。

相談コーナー

受験生とその保護者のための相談コーナーでは、入試課の先生方が来場した受験生や保護者の質問に答えていた。教室内には数カ所の相談コーナーの他に同校の日常のスケジュールや制服、体操着などが展示され、校風の他に具体的な教育体制などが分かるようになっていた。

ちなみに去年はこのコーナーに約150組(中学受験50組・高校受験100組)が訪れたとのことで、やはり文化祭は受験生にとって志望校の様子を見に行く格好の機会となっているようだ。

城西大学附属 城西中学・高等学校のホームページはこちら

普段の取り組みを自由に表現

意欲あふれる中学生の展示

中1
中学1年生は体験学習の田植えについての展示や生徒たちの写真をコラージュして作った作品の展示、サマースクールでの林業体験に関する展示などを行っていた。
中2
中学2年生は今話題の東京スカイツリーについて調べたことや割り箸で作ったツリーの模型の展示、秋に社会科見学で行く予定の鎌倉に関する展示、監督から脚本、演技まで、すべて生徒たちで担当したオリジナル映画の上映など。
中3
中学3年生は修学旅行で行った奈良、京都、広島を題材にした展示。名所の建築物などを段ボールの模型で再現したものや、各地にまつわるクイズを解きながら巡る迷路などがあった。 先生によると、修学旅行にこれらの名所を回るのは、歴史教育と平和教育を兼ねているとのこと。

城西大学附属 城西中学・高等学校のホームページはこちら

はじける若さとエネルギー

大盛況の模擬店とパフォーマンス

ステージ上ではダンス同好会のパフォーマンスが始まっていた。高校生の有志4人で去年発足したダンス同好会は、今では中学生の会員も増えて十数名にもなり、同好会から正式な部活動への昇格を目指しているという。さわやかな中学生たちや、さすがの貫禄を見せる高校生たちがステージ上をのびのびと躍動する。

校庭内では、文化祭にはなくてはならない模擬店コーナーがたくさんの人でにぎわっていた。運動部の各部によるフランクフルトや中華まん、かき氷やチョコバナナのブースと並んで、ひときわ人が並んだ数軒が目に入った。

実は、この文化祭は地域社会との交流をひとつの目的としており、模擬店もその意味で必ず近隣の飲食店などに出店をお願いしているのだという。その中でも今回特に目を引かれたのがインド料理店「マサラハット」。本格カレーと、ナンをこねて焼く実演を交えながらの販売で人気を集めているようだった。

学校関係者以外との交流といえば、先生に挨拶してくる私服の若者が多い事に気がついた。聞けば、皆この学校の卒業生なのだという。先生によれば、文化祭に限らず平常でも卒業生の来校が多いのも、同校の特色のひとつなのだとか。

うちとけた表情で先生と話す元生徒たちを見ていると、この自由な雰囲気の中で過ごした時間はそれぞれにとって特別なものになり、卒業してからも機会があるごとに帰ってきたい心境になるのだろうと思った。

ステージ上に合気道部が集合すると、初心者から上級者へとレベルを上げながらの華麗な演武がはじまった。ピラミット状に積み重なった部員たちの上を上級生があざやかに飛び越え、くるりと「飛び受け身」を決めたのを見届けて今度は体育館へ。

ダンス同好会パフォーマンス・文化祭といえば模擬店・合気道部“飛び受け身”

先生バンド“第三職員室”

体育館内では、バンド企画の熱気にあふれていた。ステージ前を埋める生徒たちの盛り上がりは、この日見た中でいちばんのものだった。

やがて生徒による演奏が終わって、先生たちのバンド「第三職員室」が登場した。4人のメンバーの内3人が30代、残り1人は40代という彼らは、文化祭の時のみ現れる幻のバンドにもかかわらず、パワフルなステージ回しで生徒たちを引っ張っていく。ノリノリの生徒たちを見ていると、こんなに愉快でカッコイイ先生たちに教えてもらえる生徒たちがとても羨ましく思えた。

城西大学附属 城西中学・高等学校のホームページはこちら

保護者&生徒の声

保護者の方からこの学校はおおらかな雰囲気がいいと思います。
生徒たちも礼儀正しく、外部の人にも自分からすすんで挨拶していますね。

保護者の方から生徒たちひとりひとりの事を、
とてもよく見ていてくれる印象ですね。生徒の中には、たくさんの学校の中からここを選んで入った子も多いみたいです。

生徒から他の学校に比べて、
とても雰囲気がおだやかだと思います。