自ら夢を持ち、夢を追うことで成長する!

子どもの夢を肯定し、徹底的にサポート

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郁文館夢学園では「夢教育」を中心に学校の教育活動を行っている。夢を持ち、夢を追う中で成長し、自らの力で夢を叶えることができる人材の育成が目標である。
そのために中学・高校の今、何ができるかを考え、具体的な目標を立て、それを達成しながら夢に向かって進んでいく。

大きな夢を掲げるばかりでなく、次の英検で3級に合格したい、野球の試合で勝利したい、といった目先の目標でもかまわない。
長期的、短期的にこだわらず、見える一番先の大きな目標を掲げたときに、人間は高いポテンシャルを発揮できるという仮説に基づいて「夢教育」は実践されているという。

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土屋俊之教頭は「我々教員が、生徒が掲げた夢を絶対的に肯定していくことが何より大事」と語る。たとえば生徒が「サッカー選手になりたい」と言ったとき、教師や保護者は「そんなことは無理だ」と否定しないのが約束だ。

「何となく」とは言っても、そこにはテレビで観たかっこいいサッカー選手がいるなど、何らかのモデルがあり、それがきっかけでスイッチが入ろうとしているのかも知れない。そうした夢の種を大切に考え、学校活動の中でアプローチしていく。

様々なジャンルで活躍する人を招いて、夢に近づくためのプロセスを話してもらう「夢達人ライブ」や日常から離れ友達とともに夢を見つめ直す「夢合宿」、といった具体的な取り組みがそれである。

教師や保護者は子どもの夢を決して否定せず、実現のためにどうしらよいのかいっしょに考え、寄り添っていくことが大切だと考えている。

夢の実現のためには、大学に進学することが必須となってくるものも多い。大学の偏差値にこだわることはしないが、夢を追求した時、生徒達の第一志望は自然とレベルの高い大学になる場合が多い。土屋教頭は、大学合格までを含めて「夢教育」が成立していることを強調する。そのために学力向上に取り組み、志望校合格のために徹底した指導をしている。

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孤独、自立がキーワード。留学で大きく成長する生徒達。

培った英語力は大学入試においてもメリットに

グローバル高等学校では、生徒全員が1年間ニュージーランドへ正規留学するカリキュラムを組んでいる。
同じ学校に留学する生徒は最大でも2人まで、なるべく日本人が少ない学校を選定する。3人以上になると、日本人同士で群れて日本語ばかりの生活になり、留学の意味をなさなくなる。
最大限意義のある留学にするため、学校選定も業者任せでなく、すべて郁文館で行っているという。留学の意義は英語力アップばかりではない。孤独、自立をキーワードに子ども達を成長させていく仕組みも徹底している。
全く知り合いのいない環境の中、親とのメールや電話も禁止、連絡は月1回の手紙のみという条件。親元を離れての留学で生徒達は大きく成長するという。

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「留学の成否は準備にかかっているということには、確信を持っています」と土屋教頭。
留学先では、生徒をお客さん扱いせず自分の息子、娘のように扱うホストファミリーとコミュニケーションをとらなければならない。きちんと挨拶ができること、基本的な生活習慣が身についていることが求められる。ひとりで暮らすためのお金の管理ができることも必要だ。生活習慣は一朝一夕で身につくものではないので、家庭との連携の中、留学前にしっかり身につけるように進めている。また、リスクを避けるために英語力をつけることが大切であることは言うまでもない。

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生徒達には、英検2級を取得して、留学に行くよう指導している。
生徒達も、留学先ではひとりでやっていかなければならないことを自覚するので、自分自身の問題として真正面からとらえ、真剣に準備に取り組む。
現在、英検2級取得のために、朝7時から行っている補習にも多くの生徒が参加し、勉強しているという。
高校入学から留学までの期間、生徒達は必死で勉強し、留学で充実した期間を過ごす。帰国するのは高2の冬、もはや受験生である。高校生活に中だるみが生じないカリキュラムとなっているのも良い点である。

1年間の留学で英語力を磨くと、準1級を取得、TOEICで800~900点を取る生徒もめずらしくないという。
準1級レベルに到達していると、大学入試においても、AO入試、公募制推薦入試などのチャンスが広がり、早慶上智といった大学にも合格しやすくなるというメリットもある。実際、昨年のグローバル高等学校卒業生の約半分がそうした大学に進学しているという。

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中学校からのグローバル教育に向けて

グローバル高等学校の留学プログラムで得た経験を生かす

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郁文館夢学園理事長である渡邉美樹氏(ワタミ株式会社創業者)は、アジアの国々でビジネスを展開する中で、韓国、中国、台湾をはじめとした国々の子ども達が非常に熱心に勉強する姿を目にしてきた。夜10時、11時まで学校で勉強し、その後に塾に行って勉強する生徒も多いという。

その是非はともかく、今の中高生が将来相手にしていかなければならないのは、こうした国の人々であることを考えたとき、今までの日本式の教育で良いのかという疑問を抱いたという。
そうした見地からも、同校ではグローバル高等学校での留学のプログラムの経験を郁文館中学校および郁文館高等学校での教育にフィードバックしようという考えに行き着いた。

昨今、子ども達の自立が遅れ、低年齢化が進んでいることはよく言われることである。中学校教育において、このことは大きな課題である。
現在行われている10泊11日の「夢合宿」は、自立、生活習慣の定着において一定の効果を発揮する。
もし、ご家庭の協力や、理解が得られないと、帰宅してすぐ元に戻ってしまうこともあるという。
生徒の自立を促す意味も含め、来年度入学する生徒から、中学3年生の夏、ニュージーランドへの2ヶ月間の留学を導入していく。英検3級合格者に留学資格を与え、希望者の参加とするが、初年度、半分以上の生徒の参加を目指す。
学校としては、全員に参加してほしいという意気込みだ。グローバル高等学校での経験から、留学した生徒達に起こってくる状況やトラブルがある程度予測できること、サポートの仕組みができていることが強みだ。

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初めはホームシック、お金のトラブル、ホストチェンジの希望。1ヶ月経つと、少し授業がわかってきて、友達ができてくる。
2ヶ月では帰りたくないと言う子が多くなるといった予測がたつ。

高校生の運転する車(ニュージーランドでは高校の最高学年で運転免許の取得可能)への同乗はしない、タクシーにひとりで乗らないといった危険を回避するための規則が徹底しているほか、同校の高校2年生の生徒が通っている学校だけに、中学3年生の生徒を送ることを決めている。半年前から現地にいる上級生がいることで、いざというときのサポートが期待でき、安心感が高まる面も大きい。
中高一貫校ならでは利点を生かしたサポート体制だ。

2ヶ月の海外留学を控えているとなると、自分でやっていかなければという不安や緊張感を生み、しっかり留学準備に取り組むようになるはずである。このことで、中高一貫校にありがちな中学3年での中だるみも防ぐことができるであろう。

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日本を、世界を知り、語ることのできる力を育成

アジアプロジェクトも始動! 様々な国に触れ、見えてくる未来

留学を視野に入れて、各教科のカリキュラムにも見直しが図られている。

「グローバル教育というと英語に目が行きがちですが、むしろ海外においては、日本のことをきちんと伝えられる知識や国語力が必要だと感じています」と土屋教頭は言う。今ならば、東北大震災のこと尋ねられるだろうし、原子力発電の是非、エネルギー政策等について、知識を持ち、きちんと自分の意見を述べることが求められるであろう。

そうした意味からも、高等学校・グローバル高等学校では新聞を活用したプログラムを導入している。
世界に関心を持ち、日本国内の状況をしっかり知ることが目的である。教師の側から、大切な記事をピックアップすることもあり、時には理事長の渡邉氏から、ぜひこの記事を生徒達に読むように伝えてほしいと連絡が入ることもある。

この活動を続けてきた結果、3年生の生徒達は日本の状況、世界の国々の問題についてかなり把握できるようになってきて、自分の考えが言えるところまできているという。
社会科では、中学生からこの新聞教育を活用することを考えている。

国語科では、きちんと新聞を読むためにも、その基礎力として中学3年までに漢字検定3級を取得するように指導する。以前から中学3年生で行ってきた「卒業論文」(自分の夢につながることを深く調べて書く)も含め、文章力を身につける指導にも力を入れていくという。

数学科では、数学検定にチャレンジさせることを考えている。数検は論理的思考を問う出題が約半分を占める。その部分を重要視し、論理的思考を身につけることで、論理的に話をし、コミュニケーションをとることに役立てていこうという意向だ。

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さらに、英語科では英検以外に、TOEFL Junior受験の導入が予定されている。TOEFL Juniorは英語を母国語としない国々の11~14才程度の子どもを対象とした試験で、韓国、ブラジル等ではすでに導入されている。
非英語圏の同年代の中での自分の英語力の位置がわかるというのが利点であり、そうした基準で英語力を把握し、磨いていくことには意味があると考える。公式のスコアとなり、アメリカの高校に留学する際の基準にもなるという。

グローバル教育の新たな試みとして、アジアプロジェクトもすでにスタートしている。
渡邉氏がSchool Aid Japan(SAJ)の代表理事を務め、カンボジアで孤児院の建設・運営などの活動に取り組んでいることもあり、3年前からカンボジアでの海外研修が行われ、最貧国とも言えるような国情の中、孤児院等のボランティアにも参加してきた。

さらに今年度からは、中学1年~高校3年までの誰でも参加できる形で、中国、韓国、シンガポールへのアジア研修を開始した。それぞれの国の独自性や発展の様子などを肌で感じることのできるプログラムが組まれている。アジアの国々の文化や政治、発展の形を学ぶことで、日本の将来を考えるきっかけにしていきたいという意図もある。

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共学校となった昨年、新校舎が完成した。地下1階からの吹き抜けの各階に明るいテラスがあり、陽光がたっぷり差し込み、屋上菜園には緑が茂る。教室、教科別の特別教室、体育館等、すべての施設が充実し、様々な興味、学習意欲に対応できる素晴らしい環境である。
明るく新しい学び舎で、夢を見つけ、ひとつひとつ目標をクリアし、成長していく生徒達の姿を思い描く。

そしてまた、生徒達の夢を育むために細やかな配慮を重ね、より良い教育成果を求めて、積極的に教育内容の創意工夫、改善に取り組む先生方の熱意の後押しが、生徒達にとって大きな支えとなっていくだろうことを感じ、取材を終える。

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