inter-edu広尾学園中学校・高等学校 未来の医師・サイエンティストを育てる中学生からの本物にふれる授業

inter-edu’s eye 難関上位校の併願者も急増!伸びる学校の秘密 過去記事は記事はこちら まずは広尾学園のホームページをチェック

生徒たちの希望から生まれたコース“医進・サイエンス”

クリックすると拡大できます:実験の様子
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広尾学園では2011年度から「医進・サイエンスコース(IS)」が高校のコースとして新設される。

1人1台iPadを研究用に活用し、知りたい情報はNCBI(アメリカ国立医学図書館の国立生物工学情報センターが運営する医学・生物学分野の検索サービス)などの専門的な検索システムを使って調べるという。
どのような経緯でこのコースが誕生したのだろう。入試広報の金子暁先生と理科担当の石田敦先生と木村健太先生はこう答える。

金子先生入学後、当校では学園長と保護者との面談があります。その中でお医者さんのご家庭が増えてきたことや医学部に進ませたいと希望される保護者の方が増えてきたということが背景にあります。


木村先生木村先生:私も理科の授業をしながら、生徒の反応や意識の高さに驚かされてきました。「もっと知りたい」と目をキラキラさせながら授業を聞く生徒から出てくる希望やわき起こるディスカッションの内容から、医師や研究者を目指す生徒のために、理系を強化したクラスを作る必要性を感じてきました。

医師・研究者になるために身につけておくべきものとは何だろうか。医学部や難関大学理系学部に合格するためにはどのような対策が必要なのだろうか。木村先生に聞いてみた。

木村先生:確かに医学部や理系学部、特に私立大学医学部入試では他学部受験とは異なる対策が必要になります。医進・サイエンスコース(IS)においては、特徴的な出題傾向、小論文や面接を含め、入試に必要な情報を日常的に提供していきます。また、日々の学習の方向性やポイント、各段階における目標とその到達度を確認することで、効果的に学習を進める仕組みを用意しています。
しかしながら,単に知識や技術を提供することだけが医進・サイエンスコース(IS)の目的だとは考えておりません。私たちは生徒たちが医師や研究者たるマインドを身につけるために必要なプログラムを提供したいと考えています。


クリックすると拡大できます:講演の様子木村先生具体的には、実際の医療現場や研究室を訪れたり、現役の医師や研究者とディスカッションしたりする機会を多く取り入れることで、華やかなイメージに憧れるだけでなく“本物”を実感できる環境を提供していきます。
また、専門的な研究活動を通して、科学的な疑問を科学的な思考や手法で解決する感覚を培って欲しいと願っています。単に答えを提示するのではなく、未知の問題を解明するためにはどのようなアプローチが必要になるのかを考える機会を提供していきます。
生徒たちが、豊かな人間性と高い科学的リテラシーを持って、世界に貢献してくれるものと期待しています。


中学生から大学並みの遺伝子組み換え実験に挑戦!

クリックすると拡大できます:授業の様子 広尾学園のサイエンスラボには、大学の研究室並みの設備が揃っている。生徒たちは理科の実験ではもちろん、参加を希望する生徒たちを対象に開講される「サイエンス講座」で最先端の科学に触れることができる。驚くことに「サイエンス講座」には中学1、2年生からの申し込みが圧倒的に多いそうだ。先日行われた「遺伝子組換え講座」について木村先生に質問してみた。

木村先生:中学生の参加者は非常に意欲が高く、難しい内容でも一生懸命理解しようとくらいついてきます。医進・サイエンスコース(IS)は高校からですが、広尾学園では中学生のうちから、このような実習の場を多く設け、彼ら彼女らの可能性をひきだしていきたいと考えています。今回は理化学研究所の協力のもと、KikG・KikGRという蛍光タンパク質を扱いましたが、生徒たちはきちんと原理を理解しながら実験に取り組んでいました


それにしても「遺伝子組換え実験」とは専門学部レベルの難しい内容。今までにも「DNA鑑定講座」や「制限酵素地図の作成」、「培養細胞の核型解析」など、最先端の内容を扱った実習が行われてきたという。このような取り組みによる学びの目的は何だろうか。

クリックすると拡大できます:遺伝子組み換え実験の様子木村先生:近年、生命科学分野における研究が急速に発展し、私たちの生活の中にもその成果が広く応用されています。それなのに社会における認識はあまりにも低いのが現状です。例えば「遺伝子組換えの原材料は使用しておりません」という表示のある食品とそうでないものとがありますが、遺伝子組換え食品は食べても大丈夫なのでしょうか。医療分野においてはより深刻な選択を迫られるでしょう。「開発されたばかりの抗癌剤を試すしかない」と言われた、我が子の遺伝子診断をすすめられた。そんなとき何を根拠に判断すれば良いのでしょうか。判断するための知識をどのように得れば良いのでしょうか。

サイエンス講座での学びの目的は、知識や技術を得ることではなく、知識に辿り着くための方法、問題を解決するための考え方を知ることです。今後の科学技術はどのように発展していくのか、生命倫理や安全性についてどのように考えるべきなのか、人類の未来を決める生徒たちの世代に伝えることがまだまだたくさんあるんです。


クリックすると拡大できます:サイエンスラボの様子新校舎は2011年3月末に完成予定。3つのサイエンスラボができ、設備はさらに充実するそうだ。
時代が求めるサイエンス教育を、生徒とともにつくりあげている広尾学園。生徒たちにとっての理想の環境がここにある。


この実験の模様をホームページでチェック

「受験の先に目指すもの」―本物志向で志高い教師陣

石田先生ここまで話を聞いてきて、今躍進する広尾学園の秘密は生徒たちから出てくる希望と、それに答えるかのように最先端の知識をシャワーのように提供する教師陣たちの中にあるように感じた。

金子先生:学校という環境はどうしても「こんな事が起きたら…」ということばかり考えがちです。広尾学園では安全面と教育的な配慮についての検討を重ねたうえで生徒から上がってくるニーズが生徒たちのためになることであれば、可能な限りやっていきたいと考えています。


クリックすると拡大できます:先生のお話の様子これまでの様々な改革に加えて、来年完成予定の新校舎、さらに「医進・サイエンスコース(IS)」と期待が高まる。受験生の保護者へのメッセージを理科部長の石田敦先生に聞いてみた。

石田先生:中学受験は家族も含めての挑戦になるかと思います。私たちは大学受験では「大学に入ること」をゴールにするのではなく「将来こういうことがしたいからあの大学のあの先生の研究室でこんな勉強がしたい」ということを目標にしてほしいと考えています。それと同じく中学受験でも合格するためだけの勉強をしてほしくはないと考えています。いろいろな子を見てきて、本当に伸びる子は保護者や教師から強制されるのではなく、本人が主体的に勉強に取り組んでいることが多いように感じます。そのような考えから、広尾学園の入試問題は知識偏重型ではなく、身近な題材で思考力を問う問題が中心となっています。理科を通して物事に対する論理的・分析的思考力や知的好奇心を養うことができれば、将来どのような方面に進んだとしても、社会において必要とされ、活躍できる人になれると思います


クリックすると拡大できます:講演の様子聞けば理科に限らず、他の教科でも強い情熱をもった先生が多いそうだ。
石田先生も木村先生も学会やシンポジウムに参加し、最先端の情報に触れたり、コネクションを作ったりなどしてサイエンス講座で講師の方をお招きする。生徒の学びたい意欲と先生方の教えたい意欲が連動し、学園全体が「学び熱」で活性化している。


チャンス広がる!特待IS入試

広尾学園の今年度の入試では中学受験から、今回ご紹介した「医進・サイエンスコース(IS)」進学の候補者選抜となる特待IS入試が設置された。

特待IS(特待生入試)、試験日=2月2日水曜日、集合時間=15:00、募集人数=30名
選考方法=理科・算数各50分/100点 国語・社会各30分/50点

特進選抜と比べ配点が理科・算数 各50分100点/国語・社会 各30分50点となっている。理科・算数が得意なお子さま、さらに医師・サイエンティストを目指したいお子さまにとってチャンスが広がる特待入試となっている。
今後さらに飛躍が予想される広尾学園。ぜひ、チャレンジを!!


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