この「理科見学会」、学習の目的は何なのだろう?
理科を担当する市川麻紀子先生にお話をうかがった。
インターエデュ(以下エデュ):この地域を選ばれた理由は何だったのでしょう?
市川麻紀子先生(以下市川):もともと武蔵野の面影が残るこの辺りは、国分寺崖線(がいせん)と言われる、湧水地区でした。武蔵野台地を多摩川が浸蝕して出来上がった、30kmもの距離に及ぶ丘があり、遺跡や湧水も多く見られます。そこで学校の近くにある、この地域を回ることで自然や歴史を目で見て感じられるということで選んでいます。
エデュ:ホームページを見ましたが、イベントが多いですね。
市川:中学生のうちは毎月行事が入っています。これは開校当初から、中学生のうちはイベントをたくさん盛り込もうという方針からつながっています。
エデュ:「人間らしく生きる」。これが東京電機大学中学校・高等学校の教育方針ですが、この行事の多さも最終的には教育方針が目指す方向へとつながっているのでしょうか。
市川:はい。中学生の間、行事は毎月1回というペースでありますが、教室の中で頭の中だけで考えて終わるのではなく、なるべく本物を見て、触れて、感じて心に残る教育を大切にしています。それがしいては本校の目指す「人間らしく生きる」へつながっていくと思っています。
エデュ:中学3年生では卒業研究発表会もあるようですね。
市川:そうなのです。卒業研究発表会でも、ただインターネットで調べた情報だけではなく、フィールドワークを必ず取り入れ、実際を見てから研究としてまとめるように指導しています。特に本校では今回の「理科見学会」もそうなのですが、1年生のうちから現地集合、現地解散を行っています。自分で電車の時間や行き方を調べさせるようにしています。
エデュ:今回の「理科見学会」をもとに各教科で深める授業はありますか?
市川:「理科見学会」と言うとおり、もちろん、理科ではこの地域の蛍の話や湧水の話など自然環境について深めます。実際に歩いてみると、ご近所の方が湧水をくみに来ているのを目にすることもあり、(※実際には煮沸しないと飲めないそうですが)本当にきれいな水が学校の近くを流れていることに感動する生徒もいます。
身の回りの自然と自分たちの生活との関係を身近に感じてくれるといいです。社会の授業でも、遺跡の話や地形の話、地図の読み方など授業で話をします。さらに生徒同士もこういった教室以外でのグループ行動を通じて協調性やリーダーシップなどを学べています。
エデュ:他にも遠足や山登りなど自然と関わる行事が多いようですね。
市川:そうですね。1年生のうちから夏には富士山(3~5合目)に登りますし、3学期には17,8キロを歩く強歩大会があります。高校になると行事は少なくなりますので、中学生のうちに心身ともに成長をしていってほしいと思います。
中学時代は、まだまだ大学受験までは遠く、かつ、中学受験を終えたばかりのお子さまたちにとってはどうしても中だるみをしやすい時期。東京電機大学中学校では、教室だけの学びを飛び出し、学校の周りも利用した課外授業が多くある。
「中学校生活は楽しくなくては!」と市川先生は言う。3年生では卒業研究発表もあり、教室を飛び出しフィールドワークをした成果を発表する機会がある。自然環境にふれ、学ぶ意味を心と体を通じて体感し、教育目標である『人間らしく生きる』ことを目指す当校にますます注目だ。
さらに7月19日のオープンスクールは東京電機大学中学校・高等学校を知る絶好のチャンス!!