現在、建設中の新校舎は来年の3月に完成予定。新校舎で新しい学校生活をスタートできるということで来年の入学者にとっては嬉しいニュースだ。その中でも、広尾学園が最も力を入れているのが「サイエンスラボ」。昨年の9月は、研究者10名を招き、DNA鑑定講座を実施。その際に訪れた研究者たちも「大学の研究室並みの施設だ」と驚いたそうだ。生物・物理・化学用の3つの設備を備えたサイエンスフロアが来年には出来上がり、白衣を着た生徒が行き来するサイエンスストリートと呼ばれる廊下でつながるそうだ。
なぜ、当校ではサイエンスに力を入れるのだろう?入試広報の金子暁先生にお話をうかがった。
金子暁先生(以下金子):広尾学園では入学後最初の月に合宿があります。その中で自分の目標を設定する機会があるのです。それは将来の目標であったり、身近な目標であったり、夢であったり。その内容が、将来はサイエンス系の研究者やエンジニア、医者、司法方面へ進みたいといった希望の割合がかなり高い。そういった生徒たちの心の中にある希望に応えようということで、サイエンスに力を入れ、本物に触れさせる機会を増やしたいと考えました。理科の教科指導を中心にさまざまな場面でサイエンスの要素を多く取り入れたものを用意しています。
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サイエンスラボ | サイエンス講座 |
金子:日本で初めてバチスタ手術を成功させた須磨久善先生や国境なき医師団の黒崎伸子先生を招いた講演は広い意味での人間教育の機会として位置づけ、同時に各分野の大学院生や研究者たちと行うロボット講座やDNA鑑定講座などさまざまなサイエンス講座を実施しています。生徒の興味や将来の目標に近いものを選んで触れさせる機会を増やし、サイエンス分野の「芽」を育てています。
金子:また年に1回行われる「スーパーサイエンスデー」でも、全国から22名の最先端の研究者やエンジニアを招いた講座を実施しました。中1から高2まで700名の生徒が受けたい講座2講座を選んで参加します。学年を超えて参加できるのですが、そうすることで中学生も背伸びをし、さらに理解のレベルも上がっていく。生徒たちの話を聞く姿勢は真剣そのものでした。
金子:やはり、生徒たちには最先端に触れてほしい、そういった思いで新校舎の中でも特にサイエンスの環境づくりには力を入れてきました。
今年はSPP (Science Partnership Program)の指定を受け、大学・研究機関や第一線の研究者・技術者の皆さんとの連携によるサイエンスプログラムがさらにレベルアップします。ハイレベルな実験施設、優秀な指導者、そして探求心あふれるサイエンススクールとしての広尾学園に注目してほしいですね。
さらに英語教育にも力を入れるインターナショナルクラスもある。今年から新たにクラスを2つにわけ、帰国生向けと英語初心者向けのクラスとでそれぞれのレベルに合わせた授業が受けられる。また学校教育法1条校としても認定されており、インターナショナルスクールの教育を行いながら日本の中学校・高等学校の卒業資格が取得できる。
また特進インターナショナルクラスでは1人1台パソコンを貸与。調べ学習やプレゼンテーション能力を身につけている。生徒たちのプレゼンテーション能力の高さはプレゼン制作過程も含めて特筆に価する。また、授業量についても充実しており、英語・国語・算数は文部科学省標準時間以上の授業量を組み込んで、専門教科をもった10名のネイティブ教員が指導にあたる。
特別選抜クラスの生徒も英語の実力に応じて特進インターナショナルクラスの授業(英語)に参加することも可能。
金子:特進選抜クラスの生徒たちが学校内にいながらして英語の環境に浸ることができる。そういった「学内留学体験」も今後、予定しています。インターナショナルクラスは、授業の進め方やカリキュラムもハイレベル。その中に身を置いてみることはかなり大きな刺激になると思います。
また当校では土曜日に「土曜特別講座」が行われる。初級・中級・上級とレベルに合わせて174講座(昨年実績)が設けられ、大学の授業のようにタームで区切って選択ができる。この土曜講座は、指導実績と授業力の評価が高い教師のみによる講座だという。
このように広尾学園では、教員評価制度で徹底的によい指導を行っていけるように研修を重ねている。
さらに、教科指導の充実ぶりを示すものとして「解答解説集」がある。学期末試験ごとに行われる解説授業のテキストとして制作されるものだが、その学期の学習内容を網羅したレベルの高い内容で、生徒たちにとってはどんな市販の参考書よりも頼りになる存在だという。
また、2010年度からは夜の9時まで自学自習ができる「9時学」がスタート。進化してやまない広尾学園の学習指導である。
広尾学園では将来への「芽」を育てるキャリア教育にも力を入れる。前述のサイエンス講座だけではなく、難関大学見学や裁判傍聴なども行っている。
金子:こういったキャリア教育を通じて、様々なことを身近に感じ、「遠い世界のことではなく、自分にもできるかもしれない」と思えるようになることをまずは大事にしてほしいと思っています。その「できるかもしれない」と中学高校時代に思うか思わないかの紙一重の差が将来大きな差となって表れると思っています。「種」は植えなければ、「芽」を出しません。まずは一流の人たち、最先端の場所に出会える機会を当校では用意したいと思っています。
ご興味をもたれた方は、ぜひ一度学校説明会へ。
取材協力:広尾学園中学校・高等学校
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