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大学付属校ならではの「理科力」の伸ばし方


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横浜で広がる理数科教科の動き

今年開港150周年にあたる横浜。様々なイベントが行われる中、教育的な取り組みとして4月に横浜サイエンスフロンティア高等学校が開校した。2006年のPISA(OECD生徒の学習到達度調査)での「科学的リテラシー」のランキングが、2003年の2位から6位に転落したことは周知のこと。そういった流れを受けての理科力強化の動きとも見受けられる。

しかし、中学受験をお考えの皆様としては、理科力をつけさせてくれる“中学校”を探したいところではないだろうか。そこで今回は理科教育に力を入れているという日本大学高等学校・中学校に取材をお願いした。当校は大学付属校かつ共学校、さらにアクセスがよいといった条件で人気を集めている学校だ。オープンスクールの中でも即日で満定員となった理科講座「ラジオを作ろう!」にお邪魔し、大学付属校の理科力を伸ばす工夫を探ってみた。

人気の理科講座「ラジオを作ろう」

本当にラジオは聞こえるのだろうか?

菊地先生

小学生にも分かりやすい説明をする菊地先生

6月30日(土)9時40分から行われた今回のオープンスクールには約500人が参加。「ラジオを作ろう!」のクラスをのぞくと期待と緊張の面持ちで小学生60名が座っている。まずは、物理担当の菊地先生から電波と音の伝わり方について小学生にも分かりやすい説明がなされる。


部品に電池がない!

続いていよいよラジオ作りに入っていくのだが、キットの中身はこちら。1ヶ月くらい前から担当の先生達が秋葉原で部品を買い集めてきたものだそう。木片はお手伝いの生徒達が木の板をノコギリで切って用意した手作りキット。 コイル、ゲルマニウムダイオード、クリスタルイヤホン、ネジがついた木材の基板、ニクロム線。なんと電池がない!この部品だけで本当に聞こえるラジオができるのだろうか…?

実験教室には先生の手元を映し出す大きな液晶モニターが設置されているため、席に座った位置から先生が指す細かい部品がよく見える。まずは、アンテナ用として使うニクロム線の表面のコーティングを紙やすりで取っていく。在校生が受験生の間に入って作業を細かく教えてくれる。


先生の手元を映し出す大きな
液晶モニターが設置されている


在校生が受験生の間に入って作業を細かく教えてくれる。


先生たちも1人ひとりに丁寧に作業を見てくれる。


そして、できたラジオを窓の手すりにあてて届く電波を受信し、聞いてみる。


完成したラジオ


嬉しそうな受験生たちの歓声が飛び交う。


さらに屋上でも傘を使って電波を受信。


実際に聞かせてもらうと…本当に電池なしでラジオの音が聞こえる!

こんなに簡単にラジオが作れると思わなかった!

参加者の声

大歓声の中、参加した受験生に笑顔がこぼれる。感想を何人かの家族連れに聞いてみた。

準備期間は試行錯誤…「みんながラジオを聞けて良かった!」


「今日は60名全員がラジオを聞くことができてよかったです」担当していた菊地先生と佐藤先生は話す。 「理科は担当15名の教員で理科研修を行い、面白いと思った実験を授業やこういったイベントで取り入れています」理科主任の奥野先生はこう話す。このような先生たちの実験への思い入れは生徒たちにも伝わるのだろう。 有志の在校生に手伝った理由を尋ねると「楽しそうだと思った」という答えが返ってくる。


受験は大変だけどがんばって
一緒に理科を勉強しましょう。

オープンスクールのための準備は1ヶ月半。「ラジオの部品を研究し、専門家に話を聞きながら時間と予算内でできる作業をどうやってやろうかと試行錯誤を繰り返しました。生徒たちにも協力をしてもらった末の成果だったと思います」と菊地先生は言う。 在校生(高2)に感想を聞くと「理科が好き。中学受験は自分も経験して大変だったし、今日参加した小学生が少しでも受験へのモチベーションをあげてくれたら嬉しい」「昨年もオープンスクールを手伝って入学してきてくれた受験生がいて、それが嬉しくて今年も参加した。受験生が笑顔で帰っていったのでよかった」と返事が返ってきた。


大学付属ならではの取り組み

さらに当校は大学付属校。大学付属ならではの取組みとしては、日本大学の理工学部の教授や大学院生を招いて「ロボット講習」を中学3年生に行っている。これは、金属板やモーターを組み立ててロボットを作り、パソコンで作ったプログラムを無線で飛ばして遠隔操作するというもの。他の付属校とも交流があり「ロボット大会」も行われている。また授業では扱えないような高度な内容の実験は希望者を募って「チャレンジ講習」として実施している。例えば「冷凍マウスの解剖」など当校の教員指導のもとで行われている。

ロボット講習の様子

実際にこのような理科教育を通して「理科力」はついているのだろうか?
「文系と理系クラスの割合は他校と比較して多いのではないかと思います」菊池先生は答える。文系理系を選択する高校2年生ではスポーツクラスをのぞけば文系:理系の割合は5:4、高校3年生では6:5、昨年の卒業生は5:5だったという。確かに理系の割合は一般的な割合より多い。大学との連携で中学生のうちから理科への関心や好奇心をぐんぐんとつけていく取り組みは成功していると言えそうだ。




通学時にはスクールバスもあり、説明会などがある日には時間に合わせ学校と駅とを行き来している。



校舎もとてもキレイ。


横浜・川崎・東京からのアクセスのよさ!

さらに横浜や川崎、東京からもアクセスがよい。
最寄り駅は、東急東横線・横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉」駅。
駅前には慶応義塾大学もある学生の街。

住居地域別生徒数
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取材協力:日本大学高等学校・中学校
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