「壁を見ろ、それを越えろ」関東学院中学校高等学校の「原石」を輝かす進路指導改革



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右のグラフは、関東学院中学校高等学校の99年からの主要大学への現役合格者数の比較。99年の実績から05年へは低迷期が続いたが、ここ3年で再び現役合格者数が増えてきた―。
今春、新校舎で新カリキュラムもスタートした関東学院では、基礎学力の徹底から進路指導改革に取り組んでいる。

今回は前任校で豊富な経験を積まれ、3年前より関東学院で改革をリードしている進路指導担当の新堀先生にお話をうかがいました。


エデュ:新堀先生は東京大学などへの進学実績のある桐蔭学園や公文国際学園での指導経験があるそうですが?

新堀先生:はい、桐蔭学園での勤務時期は東大へ100名合格という最もピークの時でした。ですので、そこで培った生徒の中にある「原石」を光らせる取り組みを関東学院でもいろいろと実践しています。

エデュ:「原石」を光らせる方法ですか?とても興味深いですね。

新堀先生:例えば、私は生徒たちに勉強をさせる時に、ボールペンを使わせます。それも、中身が減っていくことが分かる透明の筒のボールペンです。それを使って勉強成果を実感させるんです。夏には10本使い切る子もいます。

エデュ:なるほど、勉強の達成感を目で見て分かるように、ということですね。

新堀先生:それから1〜100までのマスを用いて、勉強した教科を色分けしながら塗らせていく「チャレンジ100」も実践しています。
また、イチローがバッターボックスに入る時の動作を思い出してください。イチローのように、これをしたら「勉強のスイッチが入る」というきっかけを作らす「オンとオフ」の習慣も心がけさせています。

エデュ:関東学院は部活も盛んですが、進学を考えた場合、クラブ活動と勉強の両立についてはいかがですか?

新堀先生:クラブと勉強の時間というのはそれぞれ別の枠で組まれていると思います。
例えば15:00までは授業があり、15:30〜18:00まではクラブ、そして家に帰ってからの3時間は勉強というように、同じ時間帯で両方をやるわけではないので可能だと思います。文武両道、クラブと勉強は両立ではなく、「並立」であればいいと思っています。
大学も企業も、それを上手に並立させている生徒や人材を欲しがりますし、その方が人生も豊かになるでしょう。

エデュ:勉強と部活動、それから食事やお風呂など生活のための時間も含めて、段取りよくすれば並立は可能ということですね?

新堀先生:そうです。「段取り力」です。1つ1つの作業のための勉強やクラブの時間をつなぐ「のりしろ」の時間を少なくし、物事をうまく片付けていく力ですね。


エデュ:新堀先生はできる生徒さんを多く見てきたかと思いますが、
そうではない生徒さんを伸ばしていく方法についてはいかがですか?

新堀先生:いい生徒だからできるとか、いい教師がいるからできるというのは実は、私は違うと思っているのです。自分の中にある「原石」を自覚させ、あらゆる機会を使って「やるべき時にやるべき事をする力」を身につけさせる。そうすれば、1つの原石は光り始めます。
そういう原石として光っている、言わば、「モデル」となる生徒がいれば、それに刺激され、自分も「やりたい!!」と思うようになっていくのです。
教員は、ホームルーム、部活動など日常生活の中で、そのモデル作りや気づく力作りを示していくことが大切だと思っています。

エデュ:新堀先生にとっての教師の役割とはなんだとお考えになりますか?

新堀先生:教師とは、目の前にいる生徒に過去と未来を伝える「フィルター」だと思っています。
これまで教えてきた生徒がどのような道を通り、どのように夢を実現していったかを伝えていくフィルター。かつての「モデル」を生徒達に伝え、道すじを示していくのが私達の役目だと思っています。以前の桐蔭学園や公文国際学園のようなトップレベルの生徒たちの道筋を、私という「フィルター」を通して関東学院の生徒は知ることができるわけですから、いわゆるお買い得な部分だと思います。


エデュ:進学実績は、順調に高まっていますが、今後についてはいかがですか?

新堀先生:今後は、早慶上智はもちろんのこと、東大や国公立大への合格者も高めていきたいと思っています。

エデュ:東京大学へも生徒さんを送り出したいと考えられているということですね?

新堀先生:今まで東大を受ける子をたくさん見てきて、東大を受ける理由は入試問題に魅せられてしまうからだと感じました。東大の問題を解くのが面白い、そう気づいた生徒はもっと東大の問題を解きたいと思うものです。「壁を見ろ、それを越えろ」と私はよく言うのですが、まず目標さえ見つかれば、あとはそれを越えようとすればいいのです。
私は東大の問題を1972年分から解き、データ化しているのですが、全ての問題は基本のアレンジなのです。生徒たちもこの東大的発想の仕方に気づくと、東大へ興味を持ち、東大で勉強したくなっていきます。入口偏差値45から早慶や東大に行くという学校づくりは、あくまでも改革の通過点であり、世間で高く評価される学校とすることが私達教職員のつとめだと思います。
また東大に限らず、国公立でも二次試験が理科一科のみで受験できる大学もあります。そういった情報を生徒に与え、合格までの道筋を示していきたいです。大学は「職業より学問」で選んでほしいと私は思っています。


エデュ:関東学院に来られて新堀先生の中での発見というのはありましたか?

新堀先生:関東学院はキリスト教精神に基づいた人になれ、奉仕せよ」という校訓があります。何になるか、どこに行くのかがのゴールではなく、「どう生きるか」を考えさせるこの校訓は、私自身を振り返らせる言葉であったと思います。


エデュ:最後に受験をお考えの方に向けてメッセージをお願いします。

新堀先生:4科受験は2科受験よりも1.5〜2倍の勉強量が必要です。そのためには、先ほど申しました「段取り力」が必要です。のりしろの時間をいかに短くできるかがポイントですよ。それが東大、早慶への入口になると考えて下さい。

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