1年生から夏の1ヶ月間英国で自己管理力をつける学校

今や英語は世界共通語となる中、英語力をつけてくれる学校をお探しの保護者の方も多いのではないでしょうか?そこで今回、中学1年生という時期から1ヵ月間もの間、イギリスで研修を積むという経験をしてきた土浦日本大学中等教育学校を取り上げます。この夏、7月11日〜8月6日の26泊28日間、異国を体感した生徒さん4人と学年主任の本間先生にお話をうかがいました。

インターエデュ記者(以下エデュ):この夏、イギリスに1ヵ月間の研修を行ってきたということですが、行く前はどんな気持ちでしたか?

THくん:初めての外国で飛行機や食事など緊張と楽しみと両方の気持ちを抱えていました。 でも行ってからは、すごく楽しくてまだ居たいと思うくらいでした。

TYくん:最初は英語の国で言葉が通じなさそうで怖いような気もしていました。

エデュ:お父さんやお母さんは心配しませんでしたか?

KRさん:お兄ちゃんもこの学校で外国に子どもが行く経験をしているので、あんまり心配はしていなかったです。友だちのお母さんが心配していると、「お兄ちゃんも行って大丈夫だったので心配いらない」って言っていました(笑)。

KMさん:私はテレカを買って持っていっていたのですが、1回も電話しなくて帰ってきてから怒られました(笑)。

エデュ:1ヵ月間の生活を振り返って大変だったことはありますか?

KRさん:食べ物で、日本との違いを感じました。1ヵ月の中で体調を崩してしまう子もいたので体調にはとにかく気をつけました。

KMさん:時差で苦労しました。朝の3時に目がさめたりして、1ヵ月間ずっと時差には慣れませんでした。

エデュ:現地で1番楽しかったこと、感動したことを教えてください。

TYくん:ロンドン研修が楽しくて「ロンドン・アイ」という世界で有名な観覧車に乗れて感動しました。

KRさん:私はロンドンの大英博物館でクリスタル・スカル(水晶のドクロ)を見て、友だちとすごく盛り上がりました。その夜は、感動しすぎて眠れなかったくらいでした。

KMさん:私も大英博物館でロゼッタストーンを見られたことが嬉しかったです。

THくん:僕はリスが自然の中を走っているのに驚きました。友だちもたくさんできてテニスをいろんな人とやりました。


エデュ:英語は通じましたか?

KMさん:イギリス英語の発音が難しかったです。でも話せたことで国際交流を感じました。

KRさん:私も英語は難しかったですが、ジェスチャーで伝えようとしました。言葉の壁はあっても、通じ合う心は同じだと思えて嬉しかったです。

エデュ:帰ってきてから勉強していきたいと思ったことはありますか?

KRさん:私は将来、医者になりたいと思っています。医者になるにも英語は必要だし、今回のことは生かしていきたいです。

KMさん:イギリスで洋書を買ってきたので、それを自分で読めるようになりたいと思います。あとはイギリスの紅茶の文化にも興味がわいたので、いろいろと調べてみたいと思っています。

エデュ:自分が成長をしたなと感じることはありますか?

KMさん:今までは計画を立てて何かをやることができなかったんですけど、イギリス研修ではどうしても自分で計画を立てて行動しないといけないので時間に厳しくなったと思います。

TYくん:イギリスでは身の回りのものを出しっぱなしにしておくと、盗まれてしまう可能性もあるので、自分のものを片付けるくせがつきました。

THくん:1ヶ月の間に友達がたくさん出来て、あまり自分の中で人に対して壁がなくなった。言葉の壁をこえて過ごしていたから、積極的に人と話せるようになったことが1番よかったなと思っています。


そして学年主任の本間裕之先生にも話をうかがいました。

エデュ:他校様ではなかなかない中学1年生で1ヵ月間というイギリス研修ですが…?

本間先生:そうですね。中学1年生といっても7月ではまだ、ほとんど小学生ですから、何を学ばせるかということも含め、私どもも1年の中で最も大切な行事としてとらえています。

エデュ:中学1年生の7月まで英語はどのレベルまで勉強していたのですか?

本間先生:本校では英語はOCと合わせて週7時間の英語の時間があります。OCでは三人称単数現在形まではやっていましたが、単元学習ではまだBe動詞が終わった程度でした。

エデュ:生活や文化に慣れない生徒さんも多く、先生もご苦労されたのではないですか?

本間先生:144人の生徒に教師10人体制で、飛行機にしても、現地での移動にしても24時間体制で常に気をはっていました。それでも大きな事故や病気もなく終わってみれば、生徒たちの成長が私たちにとって1番嬉しい事でした。

エデュ:このイギリス研修を通し、生徒さんに伝えたいことは何ですか?

本間先生:まずは外国を知ってもらうことだと思っています。異文化を知り、現地で英語を使ってもっと勉強したいと思う子も増えました。早い時期に外国に子どもたちを連れていったことに対する感謝や、子ども達の成長についてのお話は保護者の方からもたくさんいただきました。

エデュ:生徒さんが成長したというのを感じた瞬間について教えて下さい。

本間先生:生徒の変化は現地に慣れてきた3週目くらいから感じました。イギリスのスタッフが話しているのを自分から聞こうとしたり、コミュニケーションをとろうとしたりする姿などを見て、変化を感じました。英語に対する壁がなくなったようでした。
子どもたちも環境になれるのに、とにかく必死だったようで女の子の中ではグループの中でのいざこざ等も多少ありました。それも人間関係を学ぶ勉強になったようですが…。それから自分で自分のことをする力や先を見て行動する力がついた生徒も多かったです。
行きの成田空港での顔と帰りの空港での顔は明らかに違っていました。

エデュ:日本に帰ってきてからは、どのようなまとめをされましたか?

本間先生:事前研修としてのレポートを書かせて、オープンハウス(文化祭)で発表しました。これからクラスで1人ずつプレゼンテーションさせてクラス代表を選出し、年度末には学年の優秀者を総合学習の中で選んでいく予定です。今後は3年生で英国ケンブリッジ、5年生で米国ボストンの海外研修もあるのでさらに生徒がしっかりと学習できる下地を作っていきたいと思っています。


※来年度入学者から、海外研修は2年生と4年生での実施になります。

前回の取材「校長が先人の生き様を教える学校

取材協力:土浦日本大学中等教育学校
Copyright (c) inter-edu.com