「入口から出口がお得な学校」。インターエデュの掲示板の中でもよく上がる話題です。入口である入学偏差値と比較して、気になる出口の大学進学実績。「どんなに頑張って入学しても、その後、しっかりと面倒をみてくれる学校なのかしら…?」というのは、お子さまが頑張る姿を見ているからこそ、気になるところです。
そこで、出口である『難関大学への進学』を新しい教育目標として掲げる学校をご紹介いたします。
八王子の自然に囲まれた環境で、生徒が伸び伸びと生活をしている共立女子第二中学校・高等学校。2007年度より、改革を始めて今年で2年目。その成果を実感してきた学校が新たな目標として掲げるのは、「難関大学への進学」。
教務部主任の河先眞先生にお話をうかがいました。
来年度の目標として、「難関大学進学」という目標を掲げるそうですが?
現在の高校2年生が、2年前からの新カリキュラムで学んでいます。その結果として、生徒たちの進路意識に変化が出てきていることを感じています。それをバックアップするために、「難関大学進学」を学校全体の目標として掲げていくことにしました。 | |
生徒さんの中にどのような変化が現れてきたのですか? | |
具体的には、高校2年生の夏合宿の参加者が60名を超えたことです。昨年の参加者人数は25名でした。今回の合宿は自学自習で90分×6コマ、9時間を生徒たちは黙々とやるという合宿でしたが、在籍生徒の3分の1が参加しました。さらに、中学2年生からも上位者向けの発展的な補習をしてほしいという要望が出てきたのです。 |
黙々と9時間勉強し続ける合宿に3分の1の参加と、それから上位者向けの補習を生徒さんたちからやりたいと?
はい。それを見て私たちも、生徒たちの意識が高まっていることを感じ、改革での方向性が間違っていないことを実感しました。私たちが用意したプログラムに生徒をはめ込むのではなく、生徒たちの中から変化が起こってきたことに対応した改革です。 | |
トップダウンではなく、生徒たちの希望から生まれた改革なのですね。併設大学があるにも関わらず、難関大学を目指すという目標を掲げられたのは? | |
共立女子大学という併設大学があるだけに、うちの学校では、中高の6年間をのんびりと過ごしがちでした。ですが、生徒たちに希望の幅を与えるためにも、外部の大学へも挑戦しようとする力をつけさせたいと考えています。併設の大学の合格を確保しておき、安心して外部の大学を受けることができる、そういうメリットもあると思います。 |
ズバリ、難関大学への合格目標を教えてください。
早慶20名、MARCH50名合格です。この数字は、生徒の実際の希望に基づくものです。それぐらいの生徒が現在、難関大学への進学を希望しています。そして、私たちは今後もその数値は増えていくだろうと考えています。
目標のために、実際の改革としてはどのようなことをされるのですか?
はい、クラス編成です。APクラス(Advanced Placement Class:特進クラス)とSクラス(Standard Class)として、中学3年生から希望に合わせて分かれます。難関大学を目指し、5教科を「深化・発展」した学習で受験力をつけていきます。Sクラスは多様な生徒の希望に合わせて学力レベルの向上を目指します。
中学3年生から進路選択のクラス分けをするということは、中学2年生から進路を選択していくということですか?
はい。確かに中学2年生で進路選択というのは難しい面もありますが、生徒の希望実現のために早くから受験力をつけさせたいと考えています。本人の希望を第一に考え、外部の模試や学内試験をもとにAPクラスとSクラスに分かれます。
具体的には、APクラスとSクラスはどう違うのですか?
APクラスとSクラスは途中からの進路希望変更にも対応できるよう、APだからと言って極端な先取りをすることはしません。APを特別扱いというよりも、学校全体で高い目標を目指していくためのクラス分けだと考えています。APクラスが起爆剤となり、Sクラスを引き上げ、最終的には、全員がAPクラスのレベルになれることが目標です。APクラスの「深化・発展」の内容については、今後詳しくお知らせしていきたいと思います。
1人ひとりに対するフォローはどうですか?
この改革を通して、生徒に提供していきたいものの1つは「画一性」で、もう1つは「個の尊重」です。大学に受かることだけがゴールではなく、生徒の学力を全体として高いレベルに伸ばしつつ、さらに1人ひとりが持っている持ち味を尊重してあげたいと考えています。それぞれの生徒のライフスタイルを生かし、さまざまな色を持った生徒たちが自分たちの希望を実現させることです。うちには芸術系の大学への進学希望者もいるのですが、たとえ音楽大学へ行きたい生徒が1人でも授業を開講し、希望を尊重していきます。
共立女子の歴史には伝統がありますが、これからの改革で伝統から変わっていくものはありますか?
共立女子の建学の精神は「自立した女性」であり、改革はその精神にのっとったものです。改革は、生徒と学校の希望が共鳴したときにこそ、うまくいきます。伝統の中で培われてきたものと、生徒のこれからの進路への希望が今、共鳴している上での改革だと思っています。卒業生にも“チューター”として学校に来てもらい、学習や進路などさまざまなことで生徒たちへのアドバイスをしてもらう仕組みを作っています。
生徒さんたちにとって憧れの大学へ行っている先輩のアドバイス嬉しいですね。
はい、OGの言葉は私たちの言葉より生徒に響くこともあります。大学が移転したので旧校舎を利用して補習クラスの実施を予定しています。それから主要5教科は2学年ごとに教科指導する教員が受け持ちます。
最後に、保護者や生徒さんの反応はいかがですか?
1学期末に保護者に向け話をしましたが、好意的に受け止められていました。生徒については、夏休みが終わって難しい問題に積極的に取り組もうとする姿勢を目にしています。
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