先ほどは国語力強化における読書の効能についてのお話を伺った。では具体的にそれを記述の答案へ反映させるにはどのようにしたらよいのだろうか。


中学受験生をお持ちの保護者の方はぜひお知りになりたいと思うのですが、なかなか思うように記述できない、という生徒さんに対してどういった指導をされていますか?

そうですね。これは2月末の入試報告会ではいつも申し上げていることで、矛盾しているようですが、「とにかく書いてみること!」これに尽きます。記述が苦手な生徒は、本当に一行も書けなかったりしますが、そういった場合でもとにかく一言でいいから何かしら書かせてみて、考えるきっかけを作ります。

まずは先生のほうから主導して、先鞭をつけさせてあげる、と。

ええ。たとえばまず何か文章を読んだ後に、「私は賛成です」と書かせたうえで、「どういう理由で賛成する?」といった具合に少しずつ言葉を引き出していきます。それでも、答案用紙の前で「ウーン」と唸ってしまう生徒もいますが、それでよいのです。この「ウーン」と考えている時間こそが重要です。この間に『いろんな解き方があり、それをその子なりに筋道を立てて、答案にする』という、先ほど申し上げた思考のプロセスを存分に踏んでいるわけですから。

沈思黙考している時間にこそ、国語力が磨かれるのですね。

国語の指導で重要なのは「考える時間」をしっかり取ることです。生徒と講師との間で活発なやりとりがあったほうが充実した時間を過ごしているように錯覚してしまいますが、それでは個々に思考する時間がとれないばかりか、熟考型の生徒を置き去りにすることになるかもしれません。

授業の中で、全てのお子さんが思考に集中できるものなのでしょうか?

そうですね。集団指導では、講師が生徒一人ひとりの表情や姿勢から思考の度合いを測ってコントロールしながら、クラス全体が「集中できる」場や雰囲気を作ることが何より重要です。

また、集団指導の利点は、となりの子の発言が別の生徒の考えを活性化させ、となりの子の存在そのものがやる気を引き出させるところにありますので、それを最大限に生かして全ての生徒の思考を深めていく、これが我々講師の腕の見せどころといえます。
個別指導には「その子のペースに合わせた指導ができる」というメリットがありますが、裏を返せば「その子のペース以上にはならない」とも言えるわけで。

なるほど。授業の中で、お子さんが刺激しあいながらそれぞれの思考を深めていく、ということですね。

肉体的にも精神的にも発展途上である小学生の生徒たちの志気を高くキープしながら指導していく、というのは中学受験指導の国語講師にとって永遠の課題でありテーマであります。 ただ、ひとつ言えることは、知的好奇心の強いお子さんは、やはり志気も高く吸収も早いですね。そういった知的好奇心を育てるという意味でも、我々は生徒に対して読書の習慣づけを行っているわけです。

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難関校入試突破には記述が必須

貴塾ではひたすら受験テクニックのみを教え込む、といった指導はなさらないんですね。読書指導をはじめとして、生徒さんの学習方法や学習習慣、生活面のサポートもしていらっしゃって。

もちろん我々は中学受験に合格するための指導をしているわけで、お預かりしたお子さんを志望する中学に合格させることが最大の使命です。それを達成するために「生活面も含めてお子さんの成長を支えていく」というのが我々の方針です。

と言いますのも、やはり昨今の中学受験は小手先の受験テクニックだけでは合格できないようになってきているんですね。難関校では特に日頃からよく思考する習慣がないと太刀打ちできない問題を出題するようになりましたから。

たとえば、かつてはロジカルな読解が中心だった浅野中ですが、現在は「あなたの意見を書きなさい」というタイプの問題を3年連続で出しています。他にもフェリス女学院中では200文字の、山手学院中では100文字の記述を課しています。そういった問題に対応できる力を育成できるか否かは、やはり日頃からどういったものに触れ、どういったことを考えているかというところにかかってきます。

なるほど。これはつまり、難関校ほど日頃から深く思考するお子さんを求めている、ということでしょうか。

ええ。麻布中は中3で卒論を書かせますし、海城中は社会科でレポート提出が求められます。そういった学校を志望する以上、その中学に入学したら日常的に文章を書き続ける中学校生活を送るつもりだ、という意思表示を答案の中で示す必要があります。

ということは、思考力を深め記述力をつけることは、難関校合格だけでなく、その後の中学校生活においても必要不可欠だと考えられますね。

我々は、中学受験指導を通して、語彙力・読書量・人との交流を積み重ね、生徒に小学生として身につけるべき教養を習得してもらっています。それらを元にして生徒自身が思考し、文章にまとめ、書いたり消したりまた書いたり、そういったことを繰り返すことによって、一人で合格答案を作れるようになり、中学校でも逞しく成長していく力になる。そういった意味では、中学受験の過程そのものが、生徒の健やかな成長をサポートするのではないでしょうか。


教養を身につけながら一人ひとりの「言葉の力」を伸ばし、国語の力をつける。CG啓明館ではそのような中学受験指導を行っています。ぜひ無料体験授業でお試しいただきたいですね。お子さんのいつもと違う表情をご覧いただけるとお約束します。また、CG啓明館で今年中学受験に臨んだ生徒の逞しく生き生きとした様子は、2月24日(日)開催の入試報告会でご報告したいと思います。CG啓明館生の中学受験を通した成長の軌跡をご覧になって、今後の受験学習の参考になさっていただければ幸いです。

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取材協力・資料提供:CG啓明館
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