掲載期間 2007年8月1日〜8月31日
今年の4月、土浦日本大学中学校を母体として、土浦日本大学中等教育学校が誕生した。中等教育学校はまだ全国でも数が少ないが、公立校をはじめとして続々と設立、あるいは設立が予定されており、注目を集めている。
インターエデュでは中等教育学校の中でもひときわ特色ある教育を実施している土浦日本大学中等教育学校を取材した。
土浦日大中等教育学校の広報担当・大野和弘先生に学校の様子を案内していただきながら、中等教育学校の特色、そして土浦日大中等教育学校のついて伺った。
―中等教育学校が持つ、一般的な中高一貫校にはない特色について教えてください。
大野先生:まず中学と高校とで教師間の壁が存在しない、という点があげられます。中学と高校とで縄張り意識もないですし、連携の不備もありません。職員室も当然ひとつですし、教師は1人の生徒と6年間という長い間、信頼関係を築くことができます。
―中学と高校へ上がる際の試験がない、高校での入学者もない、などの特徴も挙げられますね。
大野先生:ええ。本校はそのことを「6>3+3」という数式であらわしています。中学と高校の間で分断されることなく、6年間をフルに使えますからね。たとえば本校では在学中に3回の海外ボーディング・スクール(研修)を実施しています。
―海外研修を3回もですか。
大野先生:本校では『人間力』『学力』『国際力』を教育の柱としています。その中の国際力を語るうえで、やはり英語によるコミュニケーション能力は欠かすことのできないものです。
本校ではコミュニケーション能力重視の英語教育を行うとともに、6年間で3回という積極的に海外での研修を実施しています。その成果として、海外留学を希望する生徒が5割を超えるまでになりました。
大野先生:こちらはオーラルコミュニケーション(OC)の授業です。ネイティブの教師による英会話の授業はもう珍しくないですが、本校では1クラスを3つに分けた少人数制で、1年生から6年間みっちりとOCを行い、コミュニケーション能力の強化を行っています。
―少人数クラスで6年間となると、ネイティブの先生がかなりいらっしゃるのでしょうか。
大野先生:現在、6カ国10名のネイティブの教員が常勤で、1名が非常勤で、本校に勤めています。 英語科や数学科などと同じくOC科を設け、コミュニケーション力を高める教育に注力しています。3回の海外研修の成果も相俟って、TOEIC Bridgeの成績は平均を大きく上回っています。
大野先生:こちらは情報の授業です。WordやExcelはひととおり終えたので、今はAccessをやっていますね。
―Accessまでやるんですか。WordやExcelはともかく、Accessを実務レベルで使える人は社会人でもそう多くないですよね。 ……おや? 生徒さんの使っているノートPC、壁紙が1つ1つちがいますが……?
大野先生:はい。本校では生徒1人に1台のノートPCを支給しています。校内のいたるところにPC用の電源とLANを配備してありますから、PCを使った学習はどこでも可能です。もちろんPCの持ち帰りは認めていませんし、悪質なサイトへのブロックは校内全体でしっかりとかけていますのでご安心ください。
―ここまで整った環境、私たちの学生時代では考えられませんね……圧倒されてしまいます。となると生徒さんの日常生活も、一般的な学校とはかなり様変わりしているのでしょうか。
大野先生:たとえばこちらの図書室ですが、コピーやプリンターの類いは1台も置いてありません。そのかわりスキャナを用意してありまして、生徒たちは課題に使う資料を自分のPCの中に取り込んでいきます。もちろんその課題レポートはPCで作って提出します。
―中学生の段階から、まるで大学のような高度な施設とシステムの元で教育が行われているのですね。ここからどんな卒業生が羽ばたいていくのか、今から非常に楽しみです。本日はありがとうございました。
9月2日(日)には、土浦日大中等教育学校のオープンスクールが行われる。最先端の教育現場を実感するべく、受験生をお持ちの保護者の方はぜひ参加されてはいかがだろうか。
掲載期間 2007年8月1日〜8月31日
取材協力:土浦日本大学中等教育学校
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